ゼロエミッション構想

人類が豊かな生活を求めて創りあげた近代文明は、資源とエネルギーを大量消費し莫大な量の廃棄物を生み出しました。その結果、地球環境は悪化し自然の生態系は崩壊寸前まで追い込まれています。これ以上の地球環境悪化を食い止め、人類が自然と共存していくには産業モデルの転換を図らなくてはいけません。

ゼロエミッション構想(Zero Emissions Research and Initiative)は、複数の産業がクラスター(連環)を構築することで、廃棄物を資源として再利用し最終的な廃棄物をゼロにすることを目指すものです。廃棄物は経済的価値を生み、しかも環境への負荷を減らすことができます。

自然界では、さまざまな種がクラスター化(集積化)することで、廃棄物をださずに生息しています。人類も、この自然にヒントを得て持続可能な産業社会システムの実現を目指さなくてはいけません。

ゼリ財団(ZERI FOUNDATION)

ゼロエミッション構想は、日本において1994年にスタートしました。同年国連大学では、ZERIの基本的概念の策定と具体的な取り組みが始まりました。

数年の間にこの運動は世界に広がり、このプロジェクトの啓発機関としての役割を果たし、短期間に効果的に企業に浸透させました。その後、研究成果を実践活動に発展させるため、国連開発計画(UNDP)とスイス政府の出資により、ジュネーブにゼリ財団(ZERI FOUNDATION)が設立されました。