Emergency Briefing on Climate and Nature
開催趣旨
気候と自然の危機が深刻化する現在、科学者から直接、最新の知見を聞くことが強く求められています。2024年の世界平均気温は産業化前比で1.55℃上昇し、観測史上最高を記録しました。2025年も、2023年と同水準の1.45℃と、2024年に次ぐ高温が予想されており、地球温暖化が加速していることは明らかです。2025年4月には、ドイツの気象学会と物理学会が共同声明を発表し、2050年までに世界平均気温が3℃上昇するリスクがあると警告しました。
2025年7月に開催された第2回グローバル・ティッピングポイント国際会議では、約600名の科学者が「ダーティントン宣言」を発表し、サンゴ礁の転換点はすでに突破されており、大西洋熱塩循環(AMOC)の停止やアマゾン熱帯雨林の枯死といった転換点の突破が今世紀半ばに迫っていると指摘しました。これを回避し、気温上昇を1.5℃以下に抑えるには、前例のない規模で迅速な温室効果ガス排出削減が不可欠です。しかし、このような科学的警告にもかかわらず、11月にブラジル・ベレンで開催されたCOP30では、化石燃料からの脱却に十分な進展は得られませんでした。
こうした状況を受け、英国では2025年11月、ロンドン・ウェストミンスターで「国家緊急ブリーフィング」が開催されました。1,046名の科学者の呼びかけにより、約130名の議員を含む1,250名が参加し、気候変動、エネルギー、食料システム、自然、極端気象、転換点、経済、健康、食や経済の安全保障について、科学的根拠に基づく包括的なブリーフィングが行われました。本取組は、最新科学に基づくリスク共有、政治的立場を超えた共通認識の形成、産業界・金融界を含む社会全体での危機認識の共有を促し、そして気候・自然政策を危機管理として位置づける点で高く評価されています。これは、科学的知見を社会と政治に直接つなぐ新たな試みで、気候変動を環境問題にとどめず、国家的課題として再定義する契機となりました。
この英国の経験は、日本にとっても重要な示唆を与えます。日本においても猛暑や農業リスクなど気候変動の影響が顕在化しています。これらのリスクへの対応を怠れば、社会的損失のみならず、企業にとってもサプライチェーンの混乱や市場変化による経済的損失を招く可能性があります。しかし、気候リスクや転換点への理解は社会全体で十分に共有されているとは言えません。今後の政策や経済活動の方向性を検討するためには、科学的根拠に基づくリスク認識を広く共有する場が不可欠です。そのため、我が国においても、科学者からの直接的かつ統合的な知見に基づき、直面する気候リスクや影響、必要な行動期限を明確にする場を設けることは極めて重要です。
このような背景から、認定NPO法人ゼリ・ジャパン/気候非常事態ネットワーク(CEN)の主催により、「気候と自然に関する緊急ブリーフィング」を開催します。本取組は、日本社会全体が科学的エビデンスと共有認識に基づき行動へと踏み出すための重要な一歩であり、食や経済安全保障、国民の健康と生命、防災・減災、国際的信頼性、産業競争力の強化にも資するものです。本趣旨へのご理解とご協力を、心よりお願い申し上げます。
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当日概要
| 日 時 | 2026年9月30日(水) 13:00~16:00 |
| 会 場 | 日経ホール (〒100-8066 東京都千代田区大手町1丁目3−7 日経ビル 3階) |
| 主 催 | 特定非営利活動法人ゼリ・ジャパン(ZERI JAPAN)/気候非常事態ネットワーク(CEN) |
プログラム
開会
| 13:00~13:05(5) | 開会宣言 | NPO法人ゼリ・ジャパン 理事長 更家 悠介 |
| 13:05~13:10(5) | 来賓挨拶 |
専門家による科学的知見の共有セッション
| 13:10~ 13:20(10) | 科学の重要性 | 東京大学 卓越教授 梶田 隆章 |
| 13:20 ~ 13:30(10) | 日本の気候変動 | 東京大学 未来研究ビジョンセンター 教授 江守 正多 |
| 13:30 ~ 13:40(10) | 自然/保護共生 | 東京都市大学 環境学部 特別教授 ⼩堀 洋美 |
| 13:40 ~ 13:50(10) | 医療・健康 | 長崎大学 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授 渡辺 知保 |
| 13:50 ~ 14:00(10) | 食料安全保障 | (交渉中) |
| 14:00 ~ 14:10(10) | 気候安全保障 | 京都大学 大学院総合生存学館 教授 関⼭ 健 |
| 14:10 ~ 14:20(10) | 循環経済 | 東京大学 名誉教授 森口 祐一 |
| 14:20 ~ 14:30(10) | エネルギーシステム | 九州大学 副学長 佐々木 一成 |
| 14:30 ~ 14:40(10) | 社会変革・行動変容 | イーズ未来共創フォーラム 代表 枝廣 淳子 |
| 14:40 ~ 14:50(10) | まとめと提言 | 東京大学 グローバル・コモンズ 担当総長特使 石井 菜穂子 |
14:50 ~ 15:00 (10) 休憩
共通認識の形成に向けた質疑・対話セッション
| 15:00 ~ 15:25(25) | 政治家・政治担当者による応答、若者からの提言および質疑応答 |
| 15:25 ~ 15:50(25) | メディアおよび参加者との質疑応答 |
閉会
| 15:50 ~ 15:55 (5) 閉会挨拶 | ||
| 15:55 ~ 16:00 (5) 閉会宣言 | CEN 事務局長 竹内 光男 |
組織委員長
| 更家 悠介 | NPO法人ゼリ・ジャパン 理事長 |
顧問
| 山本 良一 | CEN 名誉会長、東京大学 名誉教授 |
アドバイザー
| 浅岡 美恵 | 特定非営利活動法人気候ネットワーク 理事長 |
| 後藤 敏彦 | 認定特定非営利活動法人環境経営学会 特別顧問 |
実行チーム (五十音順、敬称略)
| 生駒 芳子 | 一般社団法人日本エシカル推進協議会 会長 |
| 伊坪 徳宏 | 早稲田大学 教授、SPEED研究会 会長 |
| 薄羽 美江 | 株式会社エムシープラニング 代表取締役 |
| 枝廣 淳子 | イーズ未来共創フォーラム 代表 |
| 佐伯 順子 | 一般社団法人産業環境管理協会 主査 |
| 酒井 剛 | 株式会社環境新聞社 取締役企画営業本部長兼事業部長 |
| 末吉 里花 | 一般社団法人エシカル協会 代表理事 |
| 鈴木 敦子 | 認定NPO法人環境リレーションズ研究所 理事長 |
| 鈴木 淳史 | 横浜国立大学 名誉教授 |
| 深津 学治 | グリーン購入ネットワーク 事務局長 |
| 水谷 広 | 社会地球化学研究所 代表 |
| 宮川 世津子 | アジア生産性機構 事務局次長 |
| 山口 真奈美 | 一般社団法人日本サステナブル・ラベル協会 代表理事 |
オブザーバー
| 亀ケ森 昌之 | 株式会社日本能率協会コンサルティング 常任顧問シニアコンサルタント |
| 宮越 睦子 | 株式会社日本能率協会コンサルティング BI本部リサーチセンター長 |
後援団体
協賛団体
支援団体
| グリーン購入ネットワーク | 社会地球化学研究所 | 一般社団法人エシカル協会 |
| 認定NPO法人環境リレーションズ研究所 | イーズ未来共創フォーラム | 幸せ経済社会研究所 |
| 株式会社未来創造部 | 認定特定非営利活動法人環境経営学会 | 株式会社環境ビジネスエージェンシー |
参考記事
山本良一先生のご記事
・「気候と自然の危機」に関する報告書の紹介 第2弾 2026/4/1
・ 地球温暖化は加速し、気候の転換点は超えられつつあるのに、気候非常事態宣言やネットゼロ目標を撤回する政治的動きがあるのは問題である 2026/3/9
・「気候と自然の危機」に関する報告書の紹介 2026/2/27
・「政策立案は科学的根拠に基づいて行われなければならない」トランプ政権は気候変動対策の基盤となっていた科学的知見を撤回したが、米国の科学者らは地球温暖化の加速により「ホットハウス」地球に陥るリスクに警鐘を鳴らしている 2026/2/17
・2月8日の総選挙では、「気候と自然が非常事態にある」ことを認識し、それは国家安全保障の問題であるとして、その解決のリーダーシップをとる政治家を選ぼう 2026/2/2
・気候非常事態ネットワーク(CEN)設立5周年と今後の課題 2026/1/7
・英国、国家緊急ブリーフィングの結果 2025/12/3
