丸い塩 カーボンニュートラルの塩

東アフリカのジブチ共和国にアッサル湖という塩湖があります。塩分濃度が死海よりも高く、古くから天然の塩がとれることで知られており、隣国のエチオピアまでラクダのキャラバンで運ばれてきました。ここは強い風が吹くことがあり、自然条件がそろえば、小さくてコロコロ転がるほどまん丸い塩が自然にできます。「パール塩」などと呼ばれて日本でも購入することができますが、これが自然にできるなんて不思議だなと思います。

アッサル湖は火山湖として形成されたものですが、アフリカ大陸で最も標高が低いところでもあります。海面よりも低い、マイナス174m。とにかく暑いところですから、近くの海から染み込んだ海水がどんどん蒸発していき、塩が析出されていく構造になっています。

動画:The Lowest Point in Africa | Shane Untamed(National Geographic Animals)

私たちが使う全ての塩がこんな調子で自然に生成されたら楽なんですが、なかなかそうもいきません。塩を作るのには大きな電力が必要です。

そんな中、日本の製塩シェアの40%ほどをもつ株式会社日本海水が、国内の製塩メーカーとして初めてカーボンニュートラルを達成する見通しが出てきました。

日本海水・讃岐工場、木質バイオマス発電所を2028年度運転開始 
~塩の安定供給体制の維持とともに、国内製塩メーカーとして初のカーボンニュートラル実現へ~(株式会社エア・ウォーター、2025年8月26日)

10年ほど前からバイオマス発電を導入してきて、その積み上げが実る形となったようです。カーボンニュートラルということで、塩の味わいにも深みが増すかもしれませんね。

さて、日本経済新聞社の主催で、万博のテーマウィークスタジオにおいてフォーラムが開催されるのでご案内します。

名称: 日経社会イノベーションフォーラム
「次世代エネルギー技術によるカーボンニュートラル社会への戦略」

日時: 2025年9月24日(水)10:30~16:00 
会場: 万博テーマウィークスタジオ/オンライン 
主催: 日本経済新聞社
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

○ オープニングセッション

○ 基調講演
「再生可能エネルギー導入、『任意』から『必須』の時代へ」
国連事務次長補 兼 国連パビリオン代表 マーヘル・ナセル氏

○ 企業講演「水素燃料電池を活用したエネルギーソリューションと水素社会実現に向けた取組」
パナソニック グローバル環境事業開発センター 所長/エレクトリックワークス社 電材&くらしエネルギー事業部 燃料電池・水素ストラテジックビジネスユニット長 
加藤 正雄氏

○ 企業講演

○ 基調講演
経済産業省 GXグループ環境政策課 課長補佐 池園 京佳氏

○ 企業講演「堺市 × 地域企業 × アイ・グリッドが共創するGX City 循環型電力で実現する次世代都市づくりが、大阪から始動」
アイ・グリッド・ソリューションズ 代表取締役社長 秋田 智一氏

○ 企業講演
ABB バイスプレジデント エレクトリフィケーション事業本部 取締役事業本部長 
石川 雅康氏

○ 企業講演
AIST Solutions 代表取締役社長 逢坂 清治氏

○ パネルディスカッション
「日本のカーボンニュートラルへの道筋を探る」
<パネリスト>
・アイ・グリッド・ソリューションズ 代表取締役社長 秋田 智一氏
・AIST Solutions 代表取締役社長 逢坂 清治氏
・ブルースカイソーラー 取締役 上原 美樹氏

<モデレーター>
日経BP総合研究所 上席研究員 金子 憲治

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