「自然による炭素の収支」の変動について

 カリフォルニア、オーストラリア、アマゾン、それに世界各地の北方林。そこでは近年、森林火災が頻発しています。これは気候変動の影響です。その上、森林では病虫害も広がっています。これも気候変動の影響です。また一方で、都市化や農地の拡大などで土地の利用も大きく変化しています。過去60年でみると陸地の三分の一が影響を受けているといいます。

 当然ながら、こういった人間活動の直接・間接の影響は自然による炭素の収支を変えている筈です。事実、過去1万8000年の植生変化を調べたら、およそ3千数百年前から変化のスピードが顕著に増加しているという報告があります。

 5月12日に配信しましたQ&A「減ったのに増えている」にもありますように、本気でネットゼロを目指すなら、私たちが把握している人間活動による二酸化炭素の排出に加えて、「自然による収支」の変動にも注目する必要が
ある訳です。