地球の反射率(アルベド)の低下について

The Great Barrier Reef, Queensland, Cairns. / Photo credit: Ank Kumar / CC BY-SA 4.0

地表の気温を決めるのは、地球の宇宙との熱収支です。温室効果ガス濃度はその一因でしかありません。熱収支で重要な別の因子に地球の反射率(アルベド)があります。地球を暖める太陽の恵みの内、約3割が、そのまま宇宙に反射されているのですが、これがここ数年、目立って低くなっているという報告があります。

反射率が低くなると、それだけ太陽からの光が反射されずに地球システム内にとどまります。つまり、気温が上がる方向です。20年前にくらべて1平方メートル当たり0.5ワット余計に温まっているとの事。

その原因ですが、光を反射する東部太平洋の雲が減っているためだそうです。実際、同じ地域の表面海水の温度上昇も報告されています。

温室効果ガスの排出を減らす以外の温暖化対策に、太陽からのエネルギーを減らそうという考えがあります。たとえば、気候変動の影響でサンゴが激減しているオーストラリアのグレートバリアリーフでは、雲を人工的につくりサンゴを守ろうという試みがなされています。

今回の結果は、雲をつくって温度をさげようという提案の自然による実証実験とも言えるでしょう。