史上最強の柔道家とも言われる、前田光世。1904年に米国のルーズベルト大統領の招聘により柔道使節として渡米し、ホワイトハウスでも試合を行いました。その後アメリカ、メキシコ、ヨーロッパなどで異種格闘技戦を行い、2,000以上の勝ちを重ねてブラジルに渡ります。1915年12月、ブラジル北部の町ベレンで最初の実演を行いました。その後再びヨーロッパやカリブ、キューバに遠征しますが、1922年からベレンに戻って定住します。
ブラジル生まれの格闘技として有名なグレイシー柔術は、前田光世がカーロス・グレイシーに柔道・柔術を教えたことに端を発しますが、ベレンに定住してからの前田は公開試合からは離れ、アマゾン地域への日本人の移民事業に関連して日本政府とパラー州政府との間の調整を担ったり、南米拓殖会社の創設に貢献するなど、多方面で尽力しました。非常に面倒見の良い人柄で、困窮者の援助や結婚の仲介なども含めて、多くの在留日本人の世話をしたそうです。その後日本に帰ることなく1941年にベレンで永眠しましたが、偉大な格闘家として、日本・ブラジルの架け橋として活躍した彼の埋葬の際には、ベレン市街からサンタ・イザベウ墓地(Cemiterio Santa Izabel)までの道のりをベレン中の自動車が列を作って彼の棺を見送ったと言われています。
ベレンは、現在人口150万人ほどの大都市になりました。ここで11月10日から21日にかけてCOP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)が開催されます。日本と意外な縁があるこの都市で、気候変動への対応策が話し合われるんですね。今回はどんな議論が交わされるのでしょうか。関心を持ち続けたいですね。
さて、この期間中に環境省の主催で行われるジャパン・パビリオン・セミナーを二つご案内します。地球の真裏で開催されるイベントをリアルタイムで視聴するため、あまり健康に良くなさそうなタイミングですが、ご案内します。
名称: COP30 ジャパン・パビリオン セミナー
(1) ビジネスのためのグローバル循環プロトコルの公開 - 気候、自然、公正への影響 –
(2) クリーン・シティ・パートナーシップ・プログラムセミナー
日時: (1)2025年11月12日(水)1:45~3:15
(2)2025年11月13日(木)3:45~5:00
会場: オンライン
主催: 環境省
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
【11/12 ビジネスのためのグローバル循環プロトコルの公開
~気候、自然、公正への影響~】
○ 開会挨拶
ダイアン バニーノ ホルドルフ WBCSD エグゼクティブリーダーシップチーム エグゼクティブヴァイスプレジデント
○ プレゼンテーション
クエンティン ドリュエ WBCSD サーキュラープロダクト&マテリアルズ シニアディレクター
○ 基調講演
・土居 健太郎 環境省 地球環境審議官
・アダルベルト マルフ ブラジル連邦共和国環境気候変動省
○ パネル討論
モデレーター:石井 菜穂子 東京大学未来ビジョン研究センター、グローバル・コモンズ・センター グローバル・コモンズ担当総長特使
パネリスト:
・アフカ フォン レイン オランダ インフラ・水管理省 環境・外務担当副大臣
・志村 幸美 (株)三菱UFJ銀行 サステナブルビジネス部企画開発グループ コーポレート・エンゲージメント・ディレクター(GX・サステナビリティ担当)
・グラジエレ タリア パレンチ Vale コーポレートサステナビリティ ヴァイスプレジデントオブサステナビリティ
・カレン プラグ Ingka Group グループサステナビリティ CSO
・大塚 友美 トヨタ自動車(株)サステナビリティ推進部 統括部長
・上原 宏敏 パナソニック オペレーショナルエクセレンス(株)品質・環境担当 執行役員
○ 閉会挨拶
TBC
【11/13 クリーン・シティ・パートナーシップ・プログラムセミナー】
○ 歓迎挨拶 土居 健太郎 地球環境審議官
○ JICAの取組 伊藤 晃之 JICA地球環境部長
○ フォトセッション
○ 都市間連携ケース(1) チリ・レンカ区-富山市連携
・藤井 裕久 富山市長
・クラウディオ・カストロ レンカ区長
○ 都市間連携ケース(2) インド・マハラシュトラ州-大阪市連携
・大阪市
・桑原 道 (株)カナデビア 取締役社長
詳しくはこちらをご覧ください。
[1] ビジネスのためのグローバル循環プロトコルの公開 - 気候、自然、公正への影響 –
[2] クリーン・シティ・パートナーシップ・プログラムセミナー
