動画公開「国際シンポジウム:気候変動が世界の食料需給に与える長期的影響と食料安全保障」

少し前に日本の米作りは増産に舵を切りましたが、10月31日の農林水産省の発表では一転して2026年の米は前年度比約5%の減産になるそうです。25年の生産量見通しが748万トン。26年の見通しが711万トンとのこと。

需要の見通しも難しければ、気候変動が作況に与える影響もまた見通しが難しく、価格面で消費者と生産者両方に目配りしながらも長期的視点で方針を決めないといけない。何が正解なのか、そもそも正解と呼べるものがあるのか…。こんな難しいことであってもまずは決めなければならないのですから、なかなか大変な仕事ですね。

1年近く前にはなりますが、2024年12月に農林水産省の主催で国際シンポジウム「気候変動が世界の食料需給に与える長期的影響と食料安全保障」が行われました。この時の動画が国際農林水産業研究センターのサイトで公開されましたのでご案内します。

国際農研
https://www.jircas.go.jp/ja/event/2024/e20241205

主な内容:
○ 基調講演
「気候変動下の食料生産の課題と対応」
Dr. Seth Meyer    米国農務省 首席エコノミスト

「世界食料モデルIMPACTによる気候変動の影響予測」
Dr. Keith Wiebe    国際食糧政策研究所 上級研究員

○ セッション1:気候変動の食料需給への影響
「気候変動下の世界の主要穀物の収量予測」
飯泉 仁之直    農研機構 上級研究員

「2060年にかけての世界の食料需給見通し」
古家 淳        国際農研 主任研究員

○ セッション2:パネルディスカッション
「超長期(30から40年後)の世界の食料需給予測における課題、食料安全保障の確保について」
登壇者全員

また、気候変動に対応した品種を開発して、農業も変化させていく必要があります。今、どんな開発が行われているのでしょうか。「次世代育種技術による品種開発推進プラットフォーム」の主催で気候変動に対応した次世代品種の開発に関するセミナーが開催されるのでご案内します。

名称: 令和7年度 次世代品種開発セミナー「気候変動下における作物品種開発の取り組み」
日時: 2025年12月3日(水)13:15~16:00 
会場: オンライン 
主催: 次世代育種技術による品種開発推進プラットフォーム
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

○ 主催者挨拶 
農研機構・作物研究部門
石本政男

○ 講演
「「知」の集積と活用の場の取組について」
農林水産技術会議事務局 研究推進課 産学連携室
新津泰亮

「温暖化による水稲品質への影響の実態解明と高温耐性品種の評価技術の開発」
農研機構・農業環境研究部門
戸田悠介

「いざ実装へ:高温耐性や高窒素利用効率を付与した水稲品種の開発・普及スキーム」
農研機構・作物研究部門
小川大輔

「水稲における最近の品種開発動向」
農研機構・作物研究部門
大潟直樹

「麦・大豆における最近の品種開発動向」
農研機構・作物研究部門
中村和弘

○ 総合討論  

○ 閉会

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