「気候行動計画とライフサイクルアセスメント(LCA)」報告 その2

レター「自治体の気候行動計画立案支援プロジェクト設立セミナー開催報告 その2」を配信します。図を含む全文は、こちらのPDFファイルを御覧ください。


自治体の気候行動計画立案支援プロジェクト設立セミナー開催報告 
その2
LCA日本フォーラム事務局 産業環境管理協会 佐伯 順子

 前回に引き続き、自治体の気候行動計画立案支援プロジェクト設立セミナーの開催報告をいたします。

 現在、国内外での自治体の低・脱炭素への取組が注目され、各自治体は何らかのアクションを迫られている状況にあるかもしれません。しかしながら、各自治体は多種多様な課題を抱え、特に小さな自治体では人材・財源不足のために、なかなか二酸化炭素排出量削減に取り組むことができないことも現実です。

 前回ご報告したセミナーでは、このような状況を打破するために、脱・低炭素対策を個々の課題として捉えず、防災、インフラ整備、産業振興などの他の問題と併せて、包括的な計画に組み込むこと、またこれを可能にするために産・官・学の横断的な体制で取り組むといったパラダイムシフトが提案されました。さらには、自治体間のネットワークを構築して、目的達成だけでなく相乗効果による産業振興やイノベーションなども視野にいれて計画を策定、実行していくことが可能と示唆されました。

 このセミナー後にご参加いただいた方を対象に、アンケート調査を実施いたしました。
今回は、そのアンケート結果をご報告いたします。

<アンケート結果>
 本セミナーは、LCA日本フォーラムの会員だけでなく、自治体の皆様に広く周知しました。
この中から、参加申し込みをいただいたのは143名、その半数以上が自治体からの参加者でした。

 この93名の自治体からの参加者のうち、約74%はゼロカーボンシティ、または非常事態宣言をした市町村からの参加者でした。特に宣言や目標設定をしていない自治体からの参加者は約25%で、今後に向けての気候行動計画への関心から参加したといえるでしょう。

 セミナー後にアンケートを実施いたしました。Zoom視聴者に限ってのアンケートだったこともあり、回答者は33名、複数回答可でしたので回答数は69でした。

 セミナーで一番関心が高かったテーマは、全体的な自治体の気候行動計画の動向(35%)でした。各自治体の現状、実務的なLCA、自治体や政府の取組などのテーマは、ほぼ同じ15%ほどの割合をそれぞれ占めました。この結果より、今回セミナーに参加された皆様は、具体的な取り組みという
よりも、全体的な動向の把握のほうに関心が高かったことが示唆されます。

 ほとんどの参加者が、今後同様のセミナーに参加する可能性について前向きな回答をしました。また、LCAの重要性についても認識あるとの回答でした。これらの回答から、一度のセミナーではなく、複数回に分けてLCAについて説明することが期待されていると考えられます。関心あるテーマに関しても、今回は「全体的な自治体の気候行動計画の動向」が一番大きい割合を占めていましたが、徐々にLCAなどの具体的なテーマに関心がシフトされるのではないかと期待されます。

 自治体からの参加者に、地球温暖化対策のアプローチとして「温室効果ガス排出量削減に関する中・長期目標を策定している」、「地域の企業と連携した温暖化対策」、「市民団体・NPOなどの連携した取組」、「地球温暖化についての教育・啓発活動」の重要性について質問しました。「地域の企業と連携した温暖化対策」および「市民団体・NPOなどの連携した取組」については重要性の認識にばらつきがありましたが、「温室効果ガス排出量削減に関する中・長期目標を策定している」と「地球温暖化についての教育・啓発活動」については、重点を置いている自治体が多数を占めていました。これからの地球温暖化対策には、省エネや個人個人の取組に加え、大きな目標へ向かって自治体全体で取り組むといった動きが主流になりつつあることが示唆されているのかもしれません。

 LCA日本フォーラムの自治体の気候行動計画立案支援プロジェクトでは、自治体の気候行動計画立案および目標達成に向けて支援し、最終的には日本の脱炭素目標の達成に少しでも貢献していきたいと考えております。現在は、自治体の皆様がどのような支援を望まれているのかについて伺うべく、
アンケートを実施しています。皆様の回答を基に、有効な支援策を計画してまいりますので、今後ともLCA日本フォーラムの自治体の気候行動計画立案支援プロジェクトをどうぞよろしくお願い申し上げます。

以上

前回の報告(2021年1月22日)は、こちらからご覧ください。