国連環境計画(UNEP)50年の歩み

私は根っからの楽天家なんだよ。生まれか育ちか、よく分からないけどね。楽天家というのは、頭を太陽に向けて、足を前に進め続けるところがあるんだよ。人類に対する私の信頼が厳しい試練にさらされた暗黒の瞬間は数多くあったが、絶望に屈するつもりはなかったし、そんなことはできなかったね。それは敗北と死に繋がることだから。

ーネルソン・マンデラ

国連安全保障理事会に失望したり、その存在意義を問う声が聞かれる昨今ですが、国際的な枠組みがあればこそ成し遂げられたことに改めて目を向けてみます。

環境に関する様々な活動の調整や国際的協力を推進してきた国連環境計画(UNEP)が、今年で創設50周年を迎えます。

1972年の設立以来、多数の国際条約を成立させ、その管理を行なっています。本部はケニアのナイロビ。現在の事務局長はインガー・アンダーセン氏です。(2019年2月就任)

50年間の業績を駆け足で振り返っている動画があります。

国連環境計画「UNEPの50年」(英語)

以下に内容の要点を列記します。映像に出てくる順に並べているため、途中で年代が前後しますが、UNEPが関わった主な取り組みや条約の数々です。

1972年 国際連合人間環境会議
【環境汚染】
1973年 海洋汚染防止条約
1974年 地域海計画
1979年 長距離越境大気汚染条約
1987年 モントリオール議定書(オゾン層を破壊する物質に関する~)
1989年 バーゼル条約(有害廃棄物の国境を超える移動及びその処分の規制に関する~)
1998年 ロッテルダム条約(国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての
     事前のかつ情報に基づく同意の手続に関する~)
2001年 ストックホルム条約(残留性有機汚染物質に関する~)
2013年 水俣条約(水銀に関する~)
2021年 (2002年開始の)きれいな燃料と車のためのパートナーシップを終了
【生物多様性】
1973年 ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する~)
1979年 ボン条約(移動性の野生動物種に関する~)
1992年 生物多様性条約
1992年 地球サミット
1982年 モンテビデオ・プログラム(環境法の発展と定期的検討のための~)
2012年 IPBES(生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム)
【気候変動】
1988年 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)
1992年 気候変動に関する国際連合枠組条約
1997年 京都議定書
2015年 パリ協定
1992年 国連環境計画・金融イニシアティブ

また、英語ではありますが、もっと詳しい年表がこちらで見られます。

もしもこうした取り組みがなかったとしたら、今頃私たちの環境はどんなものになっていたでしょうか。そう思うと、これまで積み上げられてきた業績の重みに改めて気付かされます。個人の間であれ国家の間であれ、協力しようとしてもうまくいかないことは当然ありますが、前向きに歩み続けていけば、必ず何か意義あるものが残っていくのですね。