2021年のCO2排出量は過去最高 IEA報告

 「え、本当に?」と思いましたが、3月8日に発表された国際エネルギー機関(IEA)によると、エネルギー燃焼および工業プロセスからの2021年の二酸化炭素排出量は363億トンで、なんと、過去最高となったそうです。

景気の急速な回復、ワクチンの普及で2020年に比べて6%の増加。その増加分の40%は石炭利用の増加によるものだそうです。

世界通貨基金(IMF)によると2021年の世界の経済成長率は推定5.9%なので、わずかですがCO2の伸び率が経済成長を上回っているということになります。

IEAのレポートはこちらで見ることができます。

原文は英語ですが、数々のグラフがあるので、ページを丸ごと翻訳してグラフの部分だけでも見ると興味深いと思います。以下、見出しの部分だけ抜粋します。

「グローバル・エネルギー・レビュー:2021年のCO2排出量」
・エネルギー関連のCO2排出量は2021年に36.3Gtに増加し、過去最高を記録しました
・石炭からのCO2排出量は史上最高に上昇
・輸送のための石油需要は、パンデミック前のレベルを8%下回ったままでした
・世界の発電所からの排出量は史上最高レベルに達しました
・天然ガス価格の高騰により、ガスから石炭への切り替えが発生し、排出量が250Mt増加しました
・再生可能エネルギーは2021年に史上最大の増加を記録しました
・パンデミック前のレベルを超える世界のCO2排出量の回復は、主に中国によって推進されてきました
・中国の電力需要は2021年に10%増加し、アフリカ全体の総需要に相当します。
・現在、中国の1人当たりのCO2排出量は、先進国の平均を上回っています
・化石燃料の使用量の急増により、温室効果ガスの排出量が新たなピークに押し上げられます