「ムーンショット」 どこまで進んでいるか

1961年5月25日。ジョン・F・ケネディ大統領が上下両院合同会議で演説を行いました。この中で人類を月面に送る計画に触れます。

アメリカ航空宇宙局(NASA)のサイトに演説の第4部、宇宙に関する部分が掲載されています。意味としては、こんな感じです。

「第一に、私は確信しています。一人の男を月面に着陸させ、彼を安全に地球に帰還させる。わが国は、この目標を今後10年以内に達成するよう取り組むべきである、と。この時代のいかなる宇宙プロジェクトも、人類にとってこれ以上感動的なものはなく、また、宇宙の長距離探査においてこれ以上に重要なものはないでしょう。そして、成し遂げるためにこれ以上に困難で、費用のかかるものもないでしょう」

First, I believe that this nation should commit itself to achieving the goal, before this decade is out, of landing a man on the moon and returning him safely to the earth. No single space project in this period will be more impressive to mankind, or more important for the long-range exploration of space; and none will be so difficult or expensive to accomplish.

NASA:Special Message to the Congress on Urgent National Needs President John F. Kennedy 

この後は「第二に」「第三に」「第四に」と続き予算として追加の2,300万ドルが、5,000万ドルが、7,500万ドルが必要なんです、といった説明が続きます。聞いている納税者は莫大な金額に心が折れそうになった…かどうかは分かりませんが、その後ケネディは、この計画の意義を説明し、国民の力を結集することの重要性を力強く説いていきました。

当時のアメリカは、まだその20日前(5月5日)にやっと初めてアラン・シェパードが宇宙飛行に成功したばかりでしたし、しかもそれは、わずか15分28秒の弾道飛行。38万キロも彼方の月に人類を送り、無事に帰還させるという計画がいかに途方もないものだったか、想像できますね。

いまでは宇宙開発に限らず、このように記念碑的な目標を達成するために行われる、極めて壮大なプロジェクトやミッションのことを「ムーンショット」(moon shot)と呼びます。

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が行なっているムーンショット型研究開発事業の成果報告会がありますので、お知らせします。

どんな計画があって、どんなことが起きているのでしょうか。興味深いですね。

名称: ムーンショット型研究開発事業 目標4 2022年度成果報告会 ~Cool Earth & Clean Earth~
日時: 2022年1月17日(火)10:00~17:00、1月18日(水)10:00~17:00
会場: AP日本橋(東京)/オンライン
主催: 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
参加費: 無料
内容:
2020年に内閣府により「ムーンショット型研究開発制度」が創設され、2050年までに達成すべき9つの戦略的目標が設定されました。NEDOはその中の「目標4(2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現する)」を推進していますが、この目標達成に向けた研究開発の内容理解と意見交換の場として、2022年度の成果報告会を開催します。

主なテーマ:
・生分解のタイミングやスピードをコントロールする海洋生分解性プラスチックの開発
・窒素化合物を回収、資源転換、無害化する技術の開発
・温室効果ガスを回収、資源転換、無害化する技術の開発

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