GX実現に向けて前進できるか

昨年7月から開催されたGX実行会議。昨年末には基本方針が取りまとめられていましたが、その後パブリックコメントなどを経て、2月10日に閣議決定されました。

経済産業省:「GX実現に向けた基本方針」

内容は多岐にわたりますが、参考資料には今後のロードマップが事例ごとに1ページずつ図示されているので、興味のある事例のページを見るだけでも参考になりそうです。

経済産業省:参考資料

各分野ごとに、概要を示した後に、
・「目標・戦略」 (ポイントと方向性)
・「GX投資」   (官民の投資金額、分野)
・「規制・制度」 (国内の規制・制度の検討、市場整備など)
・「国際戦略」  (海外の市場構築、共同プロジェクト、制度の調整など)
という4つの観点でまとめられています。

例えば事例3の「鉄鋼業」のごく一部分だけを拾い出してみると、

・概要
「グリーンスチールの2030年1000万 t 供給に向け、今後10年で省エネ法や構造改革を前提としたGX投資支援などで燃料・原料転換(例.電炉への転換)を促進しつつ、国際競争力のある電力価格の調達を実現し、国際ルールメイクによりグローバル市場への展開を進める。」

・目標・戦略
2050年カーボンニュートラルを見据え、複数の選択肢を追求し、国際情勢を見極めつつ、今後成長する市場を獲得

・GX投資
高炉から電炉への生産体制の転換投資
水素還元製鉄の技術の導入

・規制・制度
省エネ法の「非化石エネルギー転換目標」による燃料・原料転換促進
公共調達基準の見直しによるグリーン鋼材の政府調達促進

・国際戦略
世界のグリーンスチール市場を日本が率先して創造できるような基盤の確立

といったことが書かれています。

日本のグリーントランスフォーメーションが、大きく動き出そうとしていますね。