筋肉からはじまった エネルギーの移行

「人間の筋肉」(Human muscle)と「動物の筋肉」(Animal muscle)が項目として表示されているのが面白いなと思いました。Our World in Dataが示す、ドイツにおける長期的な”エネルギー”の移行を示したグラフです。

Long-term energy transitions, Germany

これを見ると、1815年ごろはエネルギー源のうち人間と動物の筋力が40%ほどを占めていたことが分かります。農業なら人間の肉体労働や家畜を使った耕作、運搬の度合いが高かったということでしょうか。また、移動手段としては徒歩だったり、馬を使っていたということでしょうか。図で示されて改めて気が付きましたが、確かに、人や家畜の肉体的な労働力がまずは重要なエネルギーだったんですよね。1850年ごろからは急激に石炭の利用率が増加していきました。そして1950年ごろから石油、そして1960年ごろから天然ガスが急増しています。

それぞれの時代背景に思いを馳せると、なかなか興味深いですね。このエネルギー移行の様子は、国によって異なっているので、そこがまた面白いですね。例えば「イングランドとウェールズ」のグラフをみると、1815年ごろは人間と動物の筋力は12%程度で、すでに石炭が80%を超えていました。

Long-term energy transitions, England & Wales

人類は石炭、石油、天然ガス、電気と、さまざまなエネルギーを利用しながら現在に至っています。そしていま、地球温暖化やウクライナ危機の勃発を機に、新たな段階が始まろうとしています。これから私たちはどこに向かうのか。そんなことがテーマのシンポジウムが開催されますので、ご案内します。

名称: 共催シンポジウム「異次元エネルギーショックへの日本の対応」
日時: 2023年8月28日16:30~19:00
会場: オンライン
主催: 公益財団法人東京財団政策研究所
参加費: 無料

主な内容: 下記HPより抜粋 

1. 開会挨拶

2. 研究プログラムからの報告
基調報告「ウクライナ危機最大の教訓」 
橘川武郎(国際大学 副学長・国際経営学研究科 教授)

「再生可能エネルギー政策の3つの注目点」 
高村ゆかり(東京大学未来ビジョン研究センター教授)

「エネルギー高騰時代のクリーンエネルギー技術を見極めよ」 
瀬川浩司(東京大学 教養学部附属教養教育高度化機構 環境エネルギー科学特別部門長、東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻長・教授)

「エネルギーとのセクターカップリングでEV普及を」 
平沼光(東京財団政策研究所 主席研究員)

「需要から考えるエネルギー政策」 
田辺新一(早稲田大学 創造理工学部 建築学科 教授)

「日本の電力市場の設計:これまでとこれから」 
杉本康太(東京財団政策研究所 研究員/横浜国立大学 国際社会科学研究院 講師)

「エネルギーショックに対峙する投資家の視点」 
黒﨑美穂(エナジー・インパクト・パートナーズ(EIP)アジア太平洋地域リサーチヘッド)

3. 全体議論

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