オランウータンの希少種も受難 東南アジアの豪雨

最近東南アジアを襲った未曾有の豪雨災害は、地球規模の気候変動がもたらす脅威を鮮明に示しました。

2025年11月下旬、タイ南部ではなんと”300年ぶり”とされる記録的な大雨により、マレーシア国境付近を中心に大規模な洪水が発生。28日時点で145人の死者と1万4000人超の避難者を出す惨事となりました。

同じ頃、隣国インドネシアのスマトラ島でもサイクロン「セニャール」と豪雨による壊滅的な被害が発生し、発生から約1ヶ月が経過した12月時点でも死者は1100人を超え、50万人もの人々が避難生活を余儀なくされています。

この悲劇は人間社会に留まりません。2017年に新種に認定された希少種で、スマトラ島の南タパヌリ県に生息するタパヌリ・オランウータンの生息地も激しい土砂崩れに見舞われ、生態系全体を揺るがしています。生息数が800頭に満たない彼らの姿が、洪水の発生以来見られていないという報道もあります。

国内外からの支援が待たれる一方、インドネシア政府は海外からの支援受け入れを拒んでいて、復旧の遅れに対する市民の不満は高まっています。異常気象が社会の安定を脅かしている構図になっています。

こうした事態は決して遠い国の出来事ではありません。九州大学の研究チームは、先月23日に国際学術誌で発表した論文にて「疑似温暖化実験」を用いた予測を公開しました。温暖化の進行により、将来の日本近海では台風本体による「コア降水」だけでなく、遠隔地で大雨をもたらす影響も強まり、国内の豪雨災害リスクが劇的に増大することが科学的に示されています。

夏季東アジアの台風による極端降水の将来予測において日本の災害リスクの増大が明らかに ~台風の疑似温暖化実験~(九州大学、2025年12月1日)

上記のサイトから引用すると、「東アジア全体では今世紀末には台風降水は約126%も増加し、特に遠隔降水の増加率が顕著でした。地域別でみると、朝鮮半島南部では減少する一方、中国南部と日本では増加し、特に日本では210%もの増加となっており、台風の経路変化に伴う台風コア降水の増加が主要因であることなどを明らかにしました」とあります。に、210パーセント…。3倍ではありませんか。たまりませんね…。

さて、日本経済新聞の主催で脱炭素経営に関するセミナーが開催されるのでご案内します。

名称: セミナー「脱炭素経営、いま何を考えるべきか?
    ~国内外の最新動向を読み解く~」

日時: 2026年1月21日(水)13:00~14:00 
会場: オンライン 
主催: 株式会社日本経済新聞社 情報サービスユニット
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

再選後のトランプ米大統領の政策や先進国の内向き指向の高まりが響き、地球温暖化対策への世界的な機運は低下傾向です。ブラジルで開催されたCOP30では、国際的ルールで大きな進展は見られませんでした。一方で、温暖化対策に熱心に取り組む民間企業や慈善団体、地方自治体など非政府アクターに対する期待は高まっています。

世界の有力企業は脱炭素への取り組みを弱めていません。こうしたグローバル企業は取引先にも温暖化対策の強化を求めており、再生可能エネルギーの調達、次世代の脱炭素技術への支援にも熱心です。日本企業も積極的に再エネ調達を進めるとともに、脱炭素経営の手を緩めることなく取り組んでいく必要があります。

本セミナーでは、日本経済新聞社 編集委員兼論説委員の青木慎一が、脱炭素経営にまつわる国内外の最新動向と、日本企業が考えるべき論点を解説いたします。この機会に是非、ご参加ください。

詳しくはこちらをご覧ください。