そこにゾウがいるのは塩分のおかげ?

「なぜ、あの土地にはゾウがいないのか?」
そんな素朴な疑問に、意外な答えを示した研究が発表されました。ノースアリゾナ大学などの研究チームが明らかにしたのは、「大型草食動物の分布を左右する“鍵”が塩(ナトリウム)かもしれない」という事実です。

Learn the surprising culprit limiting the abundance of Earth’s largest land animals
(地球最大の陸上動物の個体数を制限している意外な原因を知る)(ノースアリゾナ大学、
2025年12月9日)

草食動物にとって塩分は、神経や筋肉の働きを支える必須栄養素ですが、植物に含まれる量は地域によって極端にばらつきがあります。研究によれば、植物中のナトリウム濃度は場所によって1000倍も違うそうです。

研究チームは、衛星データなどを用いて植物中のナトリウム分布を高解像度で可視化し、ゾウやキリン、サイといった大型草食動物の個体密度、さらには糞の成分分析と組み合わせました。その結果、塩分の乏しい地域では、大型草食動物が生理的に制約を受け、生息数が抑えられている可能性があることが分かりました。

ケニアやウガンダで特定の洞窟の壁を舐めるゾウの話を聞いたことがあります。特定の場所に動物が集中する「塩場」は、単なる珍しい行動ではなくて、彼らが必死に不足する栄養を補おうとする、生存戦略ということなんですね。

この研究は、「森が豊かなら動物も多い」という単純な見方を変えてくれそうです。気候変動や人間による土地利用、密猟に加え、目に見えないミネラルの分布もまた生態系を静かに形づくっているようです。野生動物保全を考えるうえで、塩という小さな要素が、大きな意味を持っているんですね。

さて、環境省の主催でブルーカーボンに関するシンポジウムが開催されるのでご案内します。

名称: シンポジウム「海の力で未来を創る:ブルーカーボン最前線」
    ~海洋生態系を活かす気候政策、ブルーカーボンの可能性~

日時: 2026年1月22日(木)14:00~17:00 
会場: ビジョンセンター虎ノ門シンポジウム 
    T-LITE(トライト)(港区)/オンライン 
主催:  環境省
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

○ 開会挨拶
環境省(調整中)

○ キーノート
渡邉 敦 笹川平和財団 海洋政策研究所 海洋政策実現部 部長

<第一部>
○ テーマ「多面的価値を有するブルーカーボンの推進」
【事例発表】
・小杉 知佳 日本製鉄株式会社 技術開発本部 先端技術研究所 課長
・岡田 将行 東京海上アセットマネジメント株式会社 サステナビリティ推進室 ESGスペシャリスト
・縄田  暁 宮城県 水産林政部 水産業基盤整備課 技術主幹
・花田 祥一 国土交通省 港湾局 海洋・環境課 港湾環境政策室長
・森川 政人 環境省 水・大気環境局 環境創造室長

<第二部>
○テーマ「気候変動対策のためのブルーカーボンの推進」
【事例発表】
・桑江朝比呂 ジャパンブルーエコノミー技術研究組合 理事長、国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所 沿岸環境研究領域長
・根本 裕一 ENEOS株式会社 カーボンニュートラル戦略部 部長
・佐藤 陽一 理研食品株式会社 取締役・原料事業部長
・小早川鮎子 環境省 地球環境局 総務課 脱炭素社会移行推進室 室長補佐

【パネルディスカッション】
モデレーター:
渡邉 敦 笹川平和財団 海洋政策研究所 海洋政策実現部 部長

パネリスト:
・小杉 知佳 日本製鉄株式会社 技術開発本部 先端技術研究所 課長
・柳川真一朗 ENEOS株式会社 カーボンニュートラル戦略部 副部長
・佐藤 陽一 理研食品株式会社 取締役・原料事業部長
・桑江朝比呂 ジャパンブルーエコノミー技術研究組合 理事長、国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所
・加藤 聖 環境省 地球環境局 総務課 脱炭素社会移行推進室長

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