「北極海の氷が減ってるって?じゃあ回復させてやろうじゃないの」という目的で2022年に設立されたのがイギリスのリアルアイス社(Real Ice)です。水中ドローンを使って海中の水を氷の上に散水して氷を厚くしたり、氷の上に雪を降らせて氷が長持ちするようにしたりします。聞いただけでは「え?どういうこと?」と思ってしまいますが、こちらのサイトを見ると、どんな感じでそれを行うのかが分かります。
Real Ice: Science (AquaFreezing の紹介: 北極海の海氷生成の自然なプロセスを促進する)
・衛星からの情報を使って氷結計画を策定。
・再生可能エネルギーを使った水素を使って水中ドローンを稼働。
・冬の初め:海氷に海水を注いで氷を厚くする。
・冬の終わり:雪を降らせて、夏の間に氷が溶けにくくする。
シンプルで面白い発想ですよね。氷が増えることで、地球を冷やすことに少しでも貢献してくれそうです。一方、日本でも面白いプロジェクトが進んでいます。こちらは氷ではなく、微生物で地球を冷そうというものです。
微生物による地球冷却:「資源循環の最適化による農地由来の温室効果ガスの排出削減」
これは内閣府のムーンショット型研究開発事業の一つで、東北大学や東京大学、農研機構など様々な企業や団体が参画しています。二酸化炭素の265倍の地球温暖化係数を持つ一酸化二窒素について、人間活動から発生しているもののうちの約6割が農業に由来するものです。水田からは、世界の人為的メタン排出の11%が出ています。これらの温暖化ガスを、土中の微生物の力を利用して削減していこうという取り組みです。
そんな取り組みの中の一つに、生分解性の素材である球状セルロース粒子(ビスコパール)の改良があります。1980年代に福井化学工業(1991年にレンゴー株式会社が合併)が開発したもので、セルロースパルプを原料とした天然由来の素材で、微生物によって最終的には水と炭酸ガスの分子レベルにまで分解されるものです。化粧品添加剤や、樹脂・ゴム添加剤、吸水・吸油剤、研磨剤などに使われています。農業では水耕栽培の培地用途で使われていて、保水性に優れ、根の張りを良好に保ちます。培地として、ウレタンスポンジの代わりにビスコパールを使うと、プラスチックごみを減らすことができます。
このビスコパールは多孔性で、一酸化二窒素を無害化する微生物を固定する「固定化担体」としての有効性が確認されました。今後、改良とコストダウンを進めて実用化を目指していくそうです。
ムーンショット型研究開発事業「資源循環の最適化による農地由来の温室効果ガスの排出削減」に参加(レンゴー、2026年1月23日)
土壌と微生物の話なので見た目はとても地味なのですが、うまくいけば世界中で使える技術になりそうですから、そのインパクトはとてつもなく大きくなりますよね。期待しています。
さて、環境省の主催で脱炭素における都市間連携に関するセミナーが開催されるのでご案内します。
名称: 脱炭素社会実現のための都市間連携セミナー2026
日時: 2026年2月5日(木)10:00~12:30
会場: ANAクラウンプラザホテル松山(松山市)/オンライン
主催: 環境省
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋 (日英同時通訳あり)
○ 挨拶
主催者挨拶 土居 健太郎 環境省 地球環境審議官
開催地代表挨拶 中村 時広 愛媛県 知事
○ 発表
・グスナル・イスマイル インドネシア・ゴロンタロ州知事
・岩田 佳大 株式会社愛研化工機 代表取締役
・工藤 俊祐 環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室
都市間連携推進企画官
・石黒 秀典 日本エヌ・ユー・エス株式会社 国際事業ユニット サブマネージャー
○ パネルディスカッション
「国家間協力が揺らぐ時代に、都市は何ができるのか – 都市間連携の実践と可能性 -」
ファシリテーター: 片岡 八束 IGES 都市タスクフォース プログラムディレクター
パネリスト:
・森 一馬 愛媛県 経済労働部 産業政策課長
・小林 慶一 富山市環境部環境政策課 課長代理
・スティーブンソン・A・ジョセフ ミクロネシア連邦・ポンペイ州知事
・行木 美弥 環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ
担当参事官室 参事官
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