19世紀のドイツに、フリードリヒ・ゴルツ(1834年-1902年)という人物がいました。ヨーロッパ中にその名が知られていた著名な生理学者です。脳の機能、意識・意志の所在について探究する中で、彼はある時、カエルを使った実験を行いました。
「健常なカエル」と「大脳を除去したカエル」を同じ水槽に入れてゆっくり水温を上げていきます。やがて、健常なカエルは一定の温度に達した時、暴れて逃げ出そうとする防御行動を示しました。一方、大脳がないカエルはそのまま茹で上がって死んでしまいました。
熱いものに触れるとすぐに手を引っ込めるように、脳を介さない脊髄反射は、急激な刺激や痛みには反応できます。しかし、この実験から、緩やかな環境変化を察知して判断し、『逃げる』という意思を持って行動するには大脳による高度な知覚が必要だということが分かりました。
つまりカエルも脳があるんだから、ぬるま湯に浸かっていても「むむ、いいかげん熱いなこりゃ」と思ったら逃げ出すということですね。いわゆる「茹でガエル」にはならないよ、と。
ところで、またひとつ嬉しくないニュースを見つけてしまいました。
Sea level much higher than assumed in most coastal hazard assessments(海面は、ほとんどの沿岸ハザード評価で想定されているよりもはるかに高い)(nature, 2026年3月4日)
https://www.nature.com/articles/s41586-026-10196-1
オランダのワーゲニンゲン大学の研究者らが、海面上昇とそのハザード評価に関して過去15年間に出されている科学出版物385件を分析しました。すると、そのうちの99%が以上が海面と陸地標高データを不適切に扱っていて、誤った判断をしていることが分かりました。またハザード評価の90%が、実際に観測された海面に依るものではなく、「重力モデルにもとづく想定海面」に依拠していたことが分かりました。
そしてまずいことに、どうもこれまでの想定は海面上昇とその影響の度合いを過小評価してしまっていたらしいぞ、ということが分かりました。こうしたモデルでは重力と地球の自転だけを考慮していて、潮汐、海流、風などの要因は考慮していないのだそうです。
研究者らが改めて過去の分析と海水面レベルの測定データを組み合わせて総合的に比較したところ、世界の沿岸海面は現在の想定よりも平均約30cmほど高く、最大で5.5mから7.6m高いことが分かりました。既存の沿岸のハザード評価を見直す必要がありそうで、「思ってたより状況はまずいですよ」という警告が出されたわけですね。
ゴルツが実験で使ったヨーロッパアカガエルの脳の重さはたったの0.05gほどです。それでも危険を察知して「こりゃまずい、逃げるぞ」という判断ができます。じゃあ当然、人間だってできるでしょ!と言いたいところですが、人間は脳が大きい分だけ雑念やら執着やらが多すぎて、ちょっとややこしいのかもしれませんね。
さて、三重大学の主催でサーキュラーエコノミーに関するイベントが開催されるのでご案内します。
名称: サーキュラーエコノミー推進に向けた産官学連携
日時: 2026年3月24日(火)13:30~16:50
会場: 四日市商工会議所/オンライン
主催: 三重大学 みえの未来図共創機構 地域共創展開センター 四日市CNXプロジェクト
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
産学官の三重県におけるサーキュラーエコノミーの推進を目的に、産学官による連携の可能性を議論し、三重発の新たな循環型社会モデルの創出を目指します。
○ 開会挨拶 三重大学理事/副学長/みえの未来図共創機構長 金子聡
○ 来賓挨拶 三重県 雇用経済部 新産業振興課 課長 江藤 浩太氏
○ 講演
「サーキュラーエコノミーの動向:高分子、SIPプロジェクトにフォーカスして」
東京大学大学院 新領域創生科学研究科 特別教授/内閣府SIP「サーキュラーエコノミーシステムの構築」プログラムディレクター 伊藤 耕三氏
「循環経済の実現に向けた環境政策について」
環境省 中部地方環境事務所 資源循環課長 赤塚 康司氏
「トヨタにおけるサーキュラーエコノミーへの取り組み」
トヨタ自動車株式会社 先進技術カンパニー CE推進室長 永井 隆之氏
「三重県における自動車等に関するCNの取り組みについて」
三重県 雇用経済部 新産業振興課 課長 江藤 浩太氏
○ 報告
「三重大学における産学官連携創成工学演習紹介」
三重大学大学院 工学研究科 教授 池浦 良淳
「農業に学ぶサーキュラーエコノミー -微生物が駆動する循環経済-」
三重大学大学院 生物資源学研究科 教授 関谷 信人
○ 閉会挨拶
四日市市 商工農水部 理事 京藤 雄太氏
四日市CNXプロジェクトリーダー/三重大学大学院工学研究科 教授 池浦 良淳
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