この話を知って、うーん、何に例えられるんだろうかと考えたら「マラソン大会に向けハードな練習に取り組む日々のなか、ある日、庭の草むしりをしていて、立ち上がった時に腰を痛めてしまい、大会に出られなくなってしまう」みたいなことに近いのかなと思いましたが、どうでしょうか…。
Moderate global warming does not rule out extreme global climate outcomes
(穏やかな地球温暖化は、極端な地球規模の気候変動の可能性を排除するものではない)(nature, 2026年3月25日)
「温暖化が3℃や4℃と進むと大変なことになる」という認識に引っ張られすぎると、いつの間にか「パリ協定の目標の2℃ならそういうことにならないよね」という認識になってしまいます。しかし、この論文は「いやそうじゃなくて、2℃でも分野によっては壊滅的な被害が起こるリスクはあるから安心してはだめよ」と伝えています。
「従来のマルチモデル平均(MMM)に頼る評価方法には、将来起こり得る最悪の事態を過小評価しているリスクがあるぞ」とも。
分析された3つの主要分野では、2℃の温暖化であっても以下のような極端な事態が予測されています。
○人口密集地の豪雨(洪水リスク)
都市部などにおける5日間最大降水量を分析した結果、2℃温暖化時の最悪のケースの予測は、3℃温暖化時の平均的な予測を上回った。これは、既存のインフラが想定する限界を遥かに超える洪水が発生するリスクを示唆している。
○世界の穀倉地帯の干ばつ(食料安全保障)
主要作物の生産地域における干ばつ頻度を調査したところ、42のモデルのうち10のモデルが、2℃の時点で4℃温暖化時の平均予測よりも深刻なリスクを示した。複数の生産地で同時に凶作が起こるリスクは、2℃というレベルでも十分にあり得る。
○森林火災(生態系リスク)
森林エリアにおける火災気象条件についても、ワーストケースのモデルは、2℃の温暖化で3℃温暖化時の平均予測を超える極端な悪化を示している。
気候モデル間で見られる予測の大きなばらつきは、自然な変動よりも「気候モデルそのものの構造的な違い」に起因しているそうです。また、現在広く行われている影響評価プロジェクトで使用されるモデルセットには、これら極端な事例を示すモデルが含まれていないことが多く、結果として将来のリスクを過小評価している恐れがあるのだそうです。
「過酷な状況を想定することは大切。でも、草むしりのような日常生活の軽い作業の中に潜む大きなリスクを見落としてはならない」と、そんな意味で例えてみたのですが、どうでしょうかね…。
いずれにしても、最悪の事態を避けるためには、1.5℃あるいは2℃を大幅に下回るレベルへの野心的な排出削減が不可欠なようです。
さて、Asian Clean Fuels Association (ACFA)の主催でバイオ燃料についてのセミナーが開催されるのでご案内します。英語で行われますが、日本語の同時通訳があります。
名称: 脱炭素社会に向けた移行期の燃料政策:
社会・環境・技術への影響を踏まえ、国際動向からバイオ燃料政策を考える
日時: 2026年4月21日(火)13:00〜18:40
会場: 赤坂インターシティコンファレンス(港区)
主催: Asian Clean Fuels Association (ACFA)
参加費: 無料
言語:英語 (日英同時通訳あり)
主な内容:下記HPより抜粋
脱炭素化への移行が進む中、日本では現在、高濃度バイオ燃料(E10/E20)への移行が検討されており、今後の燃料政策をどのように進めるべきか、総合的な視点からの検討が求められています。
当団体として日本で初めて主催する本セミナーでは、含酸素化合物(エーテル類、エタノール等)の利用や燃料特性(揮発性、オクタン、組成等)の違いが、排出ガス、公衆衛生、環境、ガソリン価格、エンジン性能などにどのような影響を及ぼすのかを取り上げます。
当日は海外より各国の政策形成や技術開発に携わる専門家を招き、米国環境保護庁(EPA)が開発した自動車排出量推計モデル「MOVES(Motor Vehicle Emission Simulator)」、ガソリンのライフサイクル分析(LCA)、実際の燃料データなどをもとに、データに基づいた議論を行い、陸上および海洋バイオ燃料政策をめぐる最新の国際的知見を解説します。
登壇者
ヴィノージ・タヌムーシー
Asian Clean Fuels Association ヴァイスプレジデント
ダニエル・プルロー
Latin America Clean Fuels Association プレジデント
ジョン・クーパル
Eastern Research Group 副社長
トム・レオーネ
Southwest Research Institute プリンシパルエンジニア
ダリア・コチェトコワ
SGS Inspire マーケットアナリスト
チャール・ヘルミシュイゼン
Sustainable Fuels 会長
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