恐竜たちが闊歩していた約7,000万年前の白亜紀後期。意外にもこの頃の北極は、緑豊かな森が広がるほど温暖だったそうです。カナダ北部やアラスカの北極圏からメタセコイヤなどの巨大な針葉樹や落葉樹の化石が見つかっていたり、温暖な気候を好む植物の花粉が大量に検出されていますし、カナダの極北の島からはワニの仲間の化石も見つかっています。
なぜ、当時の北極はそれほどまでに暖かかったのか。二酸化炭素の濃度が高かったということだけでは説明がつかないこともあって研究者たちを悩ませてきました。しかし最近、日本の最新鋭スーパーコンピュータを使ったシミュレーションによって、その鍵が「地軸の傾き」と「大陸の配置」にあることが突き止められました。
恐竜時代の北極域はなぜ温暖だったのか?(東京科学大学、2026年7月23日)
地軸の傾きや、地球の公転の形などのことを、「地球軌道要素」といいます。これらは数万年~数十万年という長い時間をかけて変化し、太陽から届く光の量やバランスを変えるため、気候を変化させる大きな力を持っています。
今回の研究では、白亜紀後期の最後の時代である「マーストリヒチアン期」を舞台に、この軌道要素がどう影響したのかを詳しく調べました。すると、当時の北極圏は、現在よりもはるかに地軸の傾きの変化に対して敏感に反応して、気温が上がりやすかったことが分かったのです。
なぜ当時の北極は、そんなに敏感だったのでしょうか? 理由は大きく2つあります。1つ目は、「巨大な氷の塊がなかったこと」です。今のグリーンランドや南極にあるような、陸地を覆い尽くす大規模な氷床が、当時は存在していませんでした。 2つ目は、「北極の周りに広い陸地があったこと」です。当時の大陸の配置を見ると、今の北極域よりもずっと広い範囲に陸地が広がっていました。
陸地は海に比べて温まりやすく冷めやすいという性質がありますので、地軸の傾きが大きくなって北極に太陽光がたくさん届く時期になると、広い陸地が一気に温められ、北極全体の気温を押し上げたのです。さらに、氷床がないことで、太陽の光を反射してしまう白い面が少なく、熱を吸収しやすかったことも温暖化を加速させました。
この研究は、単に昔の謎を解いただけではありません。過去の温暖な地球で何が起きていたのかを正しく知ることは、将来の気候変動を予測するための気候モデルの信頼性を高めることにもつながります。恐竜時代の北極の暖かさを解き明かすことは、私たちがこれから直面する地球の未来をより正確に見通すための、大切なヒントを与えてくれるんですね。
さて、株式会社mctの主催で「気候変動時代のビジネス機会」についてのイベントが開催されるのでご案内します。
名称: 40℃エコノミー 気候変動時代のビジネス機会を発見する アイデアワークショップ
日時: 2026年8月7日(金)16:00~20:00
会場: ミッドタウン・タワー(港区)/オンライン
主催: 株式会社mct
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
PROGRAM 1「なぜ温暖化がビジネス機会につながるのか~気候変動がもたらす暮らしの変化~」
気候変動適応センター砂川氏による講演・Q&A ディスカッション
PROGRAM 2 「気候変動の先にある新しいビジネスを考える」アイデア開発体験ワークショップ
クロージング・全体ディスカッション
懇親会
詳しくはこちらをご覧ください。
