砕氷研究船「みらい II」 来年北極海へ

氷が浮かぶ海でガシガシ氷を砕きながら進む砕氷船。日本で砕氷船といえば南極観測船の「しらせ」が知られています。しかし近いうちにもう一隻が活動を始めます。砕氷能力を持つ研究船としては日本初となる「みらい II」です。昨年12月に退役した海洋地球研究船「みらい」の後継船で、大気・気象・海洋・海氷などに関する観測を行います。

9月29日、JAMSTEC(海洋研究開発機構)が今後の予定について公表しました。

北極域研究船「みらいII」の引渡日の決定及び行動予定について(2026年9月29日、JAMSTEC)

12月から来年3月にかけて日本近海、マリアナ海域、オホーツク海流氷域で機器の作動確認や観測訓練、砕氷航行試験などを行います。そして来年夏には北極海にむけて初の観測航海(第一次北極海観測航海)に出る予定だそうです。

2015年に政府の総合海洋政策本部で策定された「我が国の北極政策」を見ると基本的な考えは、

 「日本の強みである科学技術をグローバルな視点で最大限活用し、
  脆弱かつ復元力が低い北極の環境や生態系に十分配慮し、
  法の支配の確保と平和で秩序ある形での国際協力を推進し、
  先住民の伝統的な経済社会基盤の持続性を尊重し、
  北極における安全保障をめぐる動きに十分な注意を払い、
  気候・環境変動の影響への経済的・社会的適合を目指し、
  北極海航路や、資源開発に関する経済的な可能性を探求すべく、 
  具体的な取組を進める」

とされています。

北極でどんな変化が起きているのか、どんな可能性を追求できるのか。慎重に研究・模索して、進めていこうということですね。中東情勢が不安定でスエズ運河の通行に依存するリスクが意識される中で北極海航路への注目は高まっていますが、ロシアとの関係抜きには考えられない航路でもあるため、環境的にも政治的にもまさに難しい舵取りが必要ですね。

さて、経済産業省とNEDOの主催でICEF2026が開催されるのでご案内します。

名称: ICEF2026 (Innovation for Cool Earth Forum) 第13回年次総会
日時: 2026年10月8日(木)9:00〜18:10
会場: ウェスティンホテル東京
主催: 経済産業省、NEDO
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

Innovation for Cool Earth Forum(ICEF)は、地球温暖化対策の鍵となる「イノベーション」を推進するため、世界中の産学官のリーダーが議論する知のプラットフォームです。

【メインテーマ】
エレクトロステート」への移行と安全保障を通じたGX(グリーントランスフォーメーション)

エネルギー安全保障とエネルギー・トランジションに向けた各国の方向性は、資源、産業構造、技術、政策の違いを反映し、決まった方向性はありません。

一つの考え方として、化石燃料資源を軸とする戦略をとる「ペトロステート(石油国家)」と呼べる国もあれば、電化技術を中心とした戦略で「エレクトロステート(電化国家)」へ移行しつつある国もあります。しかし実際には、多くの国が電化と従来のエネルギー源の継続利用を組み合わせた、ハイブリッドな形態をとっています。

同時に、ホルムズ海峡をめぐる情勢などを受け、各国はエネルギー安全保障戦略を見直し、エネルギーシステムの強靭性(レジリエンス)を強化しようとしています。こうした状況下において、例えば、電化は、脱炭素、産業競争力、そしてエネルギー安全保障の実現に向けた方向性の一つです。IEAが発表したWorld Energy Outlook 2025でも「Age of Electricity(電気の時代)」が到来し、電化の動きが急速に加速していることが言及されています。

ICEF2026では、現実的かつ地域特性に応じた移行の道筋の必要性を踏まえつつ、一つの可能性として、低炭素電源を用いた電力がどのように「グリーントランスフォーメーション(GX)」や「エネルギーの多角化」に貢献するのか、各分野との関係の中で議論をしていきます。

多数の講演が予定されています。詳しくはこちらをご覧ください。