バイオマス火災による黒色炭素の過小評価について

気温上昇を「1.5℃まで」とか「何とか2℃で」とか議論されていますが、これは全球平均の話です。

実際に観測されている気温上昇は場所によって異なります。北極圏では平均の2倍近くあります。その北極圏で観察される黒色炭素の起源についてユーラシア大陸の西部(東経30-50°)と東部(東経100-130°)域で春に起こるバイオマス燃焼(火災)による分が3分の1程に過小評価されているという報告があります。

「どこで誰が何時(いつ)どのくらい何が原因で」二酸化炭素を排出しているかを正しく把握しなければ、実質ゼロの足元が崩れてしまいます。化石燃料の燃焼による黒色炭素は正しく見積もられているのに、バイオマスの火災による黒色炭素は過小評価だというのでは、不公平です。