クマのほうも困っている

最近、クマが人間を襲うニュースをよく聞きます。北海道や東北地方だけでなく、東京の
多摩地域でもクマの目撃情報が相次ぐようになりました。なにが原因なのでしょうか。

北海道では過去30年間、ヒグマが増えているそうです。北海道大学が知床国立公園でヒグマの増加原因について調べた、興味深い記事があります。

北海道大学リサーチタイムズ:「ヒグマはなぜ街に下りてくるのか?」

ヒグマの生態と山の植生、餌資源、気候変動が密接に関連しているようで、これは他の地域の状況を考える上でも大いに参考になりそうです。

また、アメリカでは、気温の上昇によってクマの冬眠開始が遅くなったり、冬眠から早く目覚めたり、なんと全く冬眠しなかったりする事例があるようで、それが人間とクマのトラブルにつながっています。

Anchorage Daily News: As winter warms, bears can’t sleep. And they’re getting into trouble. (アンカレッジ・デイリー・ニュース:暖冬でクマ眠れず トラブルに巻き込まれる)

人々は困っています。しかし初期のクマが出現したのは2000万年前。現生人類が現れる遥か以前です。まあクマにしてみれば、あとから来た人類という結構やんちゃな輩に相当困っているのかもしれませんね。

さて、北海道大学と日本学術会議の主催で、人間と野生生物の共生についてのセミナーが行われますので、ご案内します。

名称: 人間と野生生物の共生のために-北海道の最新研究と実践-
日時: 2023年11月18日(土)13:30~16:25
会場: 北海道大学/オンライン
主催: 日本学術会議北海道地区会議、北海道大学
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋

・開会の挨拶
三枝 信子(日本学術会議副会長、国立研究開発法人国立環境研究所地球システム領域領域長)
宇山 智彦(日本学術会議第一部会員・北海道地区会議代表幹事、
      北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授)

・講演1「クマとの衝突はなぜ増えているのか?」
坪田 敏男(北海道大学・大学院獣医学研究院・教授)

・講演2「増え続ける北海道のシカとの共生のために」
稲富 佳洋(北海道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所 自然環境部生物多様性保全グループ・主査)

・講演3「ゼニガタアザラシの管理を考える」
小林 万里(東京農業大学・生物産業学部・教授)

・講演4「トドの問題を探る」
服部 薫(水産研究・教育機構水産資源研究所・グループ長)※都合により御欠席
磯野 岳臣(水産研究・教育機構水産資源研究所・主任研究員)

・講演5「アライグマ問題の今後」
池田 透(北海道大学・大学院文学研究院・教授)

・パネルディスカッション
進行:石塚 真由美(日本学術会議連携会員、北海道大学大学院獣医学研究院教授)
パネリスト:坪田 敏男、稲富 佳洋、小林 万里、服部 薫、磯野 岳臣、池田 透

・閉会の挨拶
渡辺 雅彦(日本学術会議第二部会員、北海道大学大学院医学研究院特任教授)

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