地球が湯沸かし器 あらたな地熱発電

小学生の頃でしたが、水が冷たくて、冬の皿洗いがなかなか大変でした。ですから、家に初めてガスの瞬間湯沸かし器がやってきた時、本当に驚きました。なんでこんなにすぐに熱いお湯が出るの?という驚きと、うわーあったか~い、という喜び。いまでも鮮明に覚えています。

カナダのエバー・テクノロジーズ(Eavor Technologies Inc.) という会社が、地球を「湯沸かし器」にして地熱発電をする技術を持っています。

仕組みを説明しているアニメーションがこちらで見られます。

Eavor:The Thermodynamics of Eavor-Loop

これまでの地熱発電は、地下の地熱貯留層から蒸気や熱水を取り出して発電所まで引き上げ、その熱を利用して発電。その熱水をまた貯留層に戻す、という仕組みです。

しかしこのエバー社の技術では、地下数千メートルの熱い岩盤に網目状の「ループ」を設置して、その中で水を循環させ、温まった熱水を地上に引き上げて発電所で利用します。その仕組みはまさに、ガスではなく地球の熱を使った「湯沸かし器」なんです。

地下の蒸気や熱水を取り出す必要がないため、地熱発電につきものの「せっかく掘ったのに蒸気が十分に出ない」とか「地下の熱水の量がやがて不足するかも」というリスクがありません。

こうしたタイプは、クローズドループ地熱利用技術と呼ばれ、開発期間の大幅な短縮(着工開始から2年で発電開始可能)、必要な敷地が小さい(サッカー場が1~2面程度)こともあり、注目されています。

再エネの技術も、新しいものが次々に生まれ、選択肢が増えています。再エネを利用するにあたって、どんな組み合わせがよいのか?、その採算性は?、といったことをテーマにしたシンポジウムが開催されますので、ご案内します。

名称: NEDO 再生可能エネルギー熱 オンラインシンポジウム
    「再エネ熱の組合せと採算性」

日時: 2023年12月19日(火)10:00~16:40 
会場: オンライン 
主催: 特定非営利活動法人 地中熱利用促進協会
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

ガイダンス 再エネ熱シンポジウム事務局
開会挨拶  NEDO新エネルギー部 主幹 上坂 真 

●第1部 テーマ 「再エネ熱の複合的利用」

【補助金制度と複数の再エネ熱利用を活用したエネルギーサービス事業】
 株式会社シーエナジー 営業部 課長 柘植 康司

【風・太陽・水を活用した研修センター ~再生可能熱エネルギーの最大利用~】
 大和ハウス工業株式会社 本社 建築系共通技術部門
 設備推進部 環境・設備グループ 主任 橋本 雅

【北陸地方の共同住宅における再エネ由来の蓄エネルギーへの取組み】
 株式会社 竹中工務店 設計本部 プリンシパルエンジニア 高井 啓明

〇総合討論
【司会】
 特定非営利活動法人 地中熱利用促進協会 理事長 笹田 政克
【登壇者】
 株式会社シーエナジー 営業部 課長 柘植 康司
 大和ハウス工業株式会社 本社 建築系共通技術部門
  設備推進部 環境・設備グループ 主任技術者 谷口 和紀
 株式会社竹中工務店 設計本部 プリンシパルエンジニア 高井 啓明

●第2部 テーマ 「再エネ熱利用の採算性」 

【太陽熱利用の採算性】
 一般社団法人 ソーラーシステム振興協会 専務理事 原 人志

【木質バイオマス熱利用の採算性】
 一般社団法人 日本木質バイオマスエネルギー協会 副会長 矢部 三雄

【地中熱クローズドループの採算性】
 ミサワ環境技術株式会社 常務取締役 田中雅人

【地中熱オープンループ(積雪寒冷地のATESシステム)の採算性】
 日本地下水開発株式会社 営業本部企画開発部 部長 山谷 睦

【ESCO事業による熱源多重化の効果と実績 ~岐阜大学医学部附属病院の事例~】
 東海国立大学機構  学術研究・産学官連携統括本部 リサーチ・アドミニストレーター 山形 新之介

〇総合討論
【司会】
 特定非営利活動法人 地中熱利用促進協会 理事長 笹田 政克
【登壇者】
 一般社団法人 ソーラーシステム振興協会 専務理事 原 人志
 一般社団法人 日本木質バイオマスエネルギー協会 副会長 矢部 三雄
 ミサワ環境技術株式会社 常務取締役 田中雅人
 日本地下水開発株式会社 営業本部企画開発部 部長 山谷 睦
 東海国立大学機構  学術研究・産学官連携統括本部 リサーチ・アドミニストレーター 山形 新之介

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