安い、軽い、長持ち 三拍子へ 

「曲がる太陽電池」として注目されているペロブスカイト太陽電池。現在主流になっている黒いパネルのもの(シリコン系太陽電池)と比べると、いいことがいろいろあります。

・電池の材料を塗布したり印刷したりしてつくることができるので、製造工程が少なく、大量に生産できる。そのため、コストが低い。シリコン系太陽電池の半分で済む。

・電池が薄い膜になっているので、とても軽く、折り曲げることさえできる。ビルの壁面や窓ガラスにも設置できる。

・主な原料であるヨウ素が日本には豊富にある。日本の生産量は世界シェアの3割を占めているほど。材料を輸入に頼らなくてよい。

ただ、一つ大きな難点がありました。水分や酸素によって劣化しやすく、屋外での寿命が5年から10年だと言われています。うーん、早くて5年ごとに張り替える作業が発生するなんて、ちょっと頭が痛いですよね。

しかし、昨年12月に発表された名古屋大学の研究では、この耐久性を大いに向上させる技術の開発に成功しました。

名古屋大学:真空蒸着が可能なフラーレン誘導体を用いた高耐久性ペロブスカイト太陽電池  ~次世代太陽電池の実用化へ前進~

日本経済新聞の記事(2024年2月22日)によると、寿命をシリコン系太陽電池並みの20年にすることも視野に入ってきたようです。

安い、軽い、そして長持ち。三拍子揃った太陽電池の実現に期待がふくらみますね。

さて、東京都の主催で太陽光発電と都市に関するシンポジウムが行われますので、ご案内します。

名称: WEBシンポジウム「太陽光発電と都市の可能性」
日時: 2024年3月15日(金)13:30~15:30 
会場: オンライン 
主催: 東京都環境公社
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

○ 基調講演 「太陽光発電への期待(仮)」
 高村 ゆかり 氏
 東京大学未来ビジョン研究センター教授

○ 講演 「再エネとIOTの親和性(仮)」
 樋口 悟 氏
 国際航業株式会社 公共コンサルタント事業部
 カーボンニュートラル推進部 デジタルエネルギーG
 エネがえる事業開発担当

○ 講演 「都市開発時の再エネ有効活用(仮)」
 野々村 真輔 氏
 (株)日本総合研究所 リサーチ・コンサルティング部門
 地域・共創デザイングループ
 マネジャー(技術士:建設部門)

○ 講演 「次世代太陽電池活用の展望(仮)」
 森田 健晴 氏
 積水化学工業株式会社 PVプロジェクト 副ヘッド

○ パネルディスカッション
 司会・モデレーター
 根本 美緒 氏
 フリーキャスター/気象予報士

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