温暖化でペンギンに勝者と敗者

今年1月に上野動物園の「シャオシャオ」と「レイレイ」2頭のジャイアントパンダが中国に返還されて、日本で飼育されているジャイアントパンダはいなくなってしまいました。ちょっと寂しいですね。そもそも日本にパンダが初めて来たのは1972年。日中国交正常化の象徴として2頭のパンダが贈られたのが始まりでした。その翌年、日本から返礼としてニホンカモシカとフンボルトペンギンが北京動物園に贈られたそうです。当時の中国の動物園にはペンギンがいなかったので、きっと中国の子どもたちも喜んでくれただろうなと想像します。ペンギンって、見てるだけでも楽しいですからね。

そんなペンギンについて、新たな発見です。イギリスのオックスフォード大学などの研究チーム「ペンギン・ウォッチ」が10年にわたって調査したところ、南極に住むペンギンたちの繁殖の時期が、記録的な速さで早まっていることが分かりました。

A two-week leap in breeding: Study reveals Antarctic penguins’ striking climate adaptation (繁殖期間が2週間短縮:南極ペンギンの驚くべき気候変動適応能力を研究が明らかに)(オックスフォード大学、2026年1月20日)

研究チームは、南極とその周辺の島々37か所に、77台ものタイムラプスカメラを設置しました。このカメラを維持するのは並大抵のことではありません。博士たちは、年に一度、極寒の南極へ向かい、1台ずつ手作業でバッテリーを交換し、データの回収を行っているのです。

そんな地道な調査からなかなか驚きの事実が見えてきました。ジェンツーペンギン、アデリーペンギン、ヒゲペンギンの3種類すべてで、「巣を作り始める時期がどんどん前倒し」されていたのです。特にジェンツーペンギンは、10年間で平均13日、場所によっては24日も早まっていました。これは、鳥類、あるいは背骨を持つ動物(脊椎動物)の中で、これまで記録された中で最も速い変化である可能性があります。

なぜ、彼らはそんなに急いでいるのか。最大の理由だと考えられているのが気温の上昇です。調査地では、南極の平均の4倍という猛スピード(1年で0.3度)で温暖化が進んでいたからです。しかし、時期が早まることは、必ずしも環境に適応してうまくやっていることを意味しません。ここで大きなリスクとなるのが、”ミスマッチ”という現象です。ヒナが生まれて一番エサが必要な時期に、主食であるオキアミなどが十分にいないという事態が起きかねないのです。

さらに、この変化はペンギンの世界に勝者と敗者を生み出そうとしているそうです。

・ジェンツーペンギン: 食べ物や環境にこだわらない彼らは、変化に強いため、今のところ有利です。

・アデリーペンギンとヒゲペンギン: アデリーは「氷」を、ヒゲは「オキアミ」を特に必要とするため、環境の変化に対応するのが難しく、苦戦を強いられています。

ペンギンは南極の食物連鎖を支える極めて重要な生き物で、環境の変化をいち早く私たちに知らせてくれる存在でもあります。そして何よりも、見る者の心を和ませてくれますよね。そんなペンギンたちが元気に生きていける環境を残したいものです。

さて、日本経済新聞社の主催で脱炭素経営に関するウェビナーが開催されるのでご案内します。

名称: 早稲田大学 関根教授に聞く!脱炭素経営の「勝ち筋」 ~カーボンニュートラル実現に向けた産業界への提言~
日時: 2026年4月16日15:00~16:00 
会場: オンライン 
主催: 株式会社日本経済新聞社 情報サービスユニット
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

本セミナーは、早稲田大学の関根 泰教授をお招きし、カーボンニュートラルの現在地と、日本企業が目指すべき方向性を提言いただきます。自社の戦略を再構築するための手がかりが得られる機会です。ぜひ、ご参加ください。

基調講演「カーボンニュートラル実現に向けた産業界への提言」
関根 泰教授 早稲田大学 先進理工学研究科 教授、研究戦略センター所長、イギリス王立化学会フェロー

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