今年1月に日本アイスクリーム協会が発表した「アイスクリーム白書2025」によると、アイスクリームの味として一番人気があるのは圧倒的に「バニラ」です。これは少なくとも2018年からずっとそうなので、もはや不動の王者ですね。
このバニラと大いに関係があるのが、生物季節(学)を指すフェノロジー(phenology)という言葉を作ったベルギーの植物学者シャルル・フランソワ・アントワーヌ・モレン(1807年-1858年)です。
バニラの原産地はメキシコで、アステカ帝国を征服したエルナン・コルテスによってヨーロッパに持ち込まれたと言われています。しかしバニラは自家受粉できない植物で、ヨーロッパではほとんど実をつけることがなく、その受粉の仕組みは数世紀の間、謎に包まれたままでした。しかしモレンは、原産地メキシコではハリナシバチの一種がバニラの受粉に関与していることを発見し、さらに人工授粉にも成功。この成果を1837年に発表しました。ただ、この人工授粉の手法は複雑かつ限定的な条件下でのみ可能だったので、商業的には採算がとれないものでした。モレンはその後、動植物の季節変化を研究する「フェノロジー」という用語を作りました。
モレンの話はここまでですが、バニラについては続きがあります。
モレンの発表から4年後、1841年に当時フランス植民地だったレユニオン島で、エドモンドという12歳の少年が、人工授粉に成功します。竹の棒を使ってシンプルで手早く受粉させる方法を発見しました。これがレユニオン島でのバニラ生産を飛躍的に増大させました。エドモンドの発見以前は受粉できたバニラはわずかでしたが、1850年~1860年の期間には生産量が年間1トン、その後の10年間では年間15トンになり、1880年代初めには年間60トンにまでなりました。今でもレユニオン島は高品質のバニラの産地として世界的に知られています。
残念なことにエドモンドはこの時奴隷であったため、その功績は他人に横取りされ、その恩恵を得ることのないままその後を過ごしました。1848年に奴隷制が廃止された時、彼はアルビウス(Albius)という姓を加えて、エドモンド・アルビウスと名乗るようにしました。albiusはラテン語で「白」。バニラの花の色です。不遇のまま1880年にその生涯を閉じますが、2004年5月10日、フランスの奴隷制度廃止の記念日に、故郷の町サント・スザンヌに彼の功績を讃えブロンズ像が設置されました。
モレンの発見の後とはいえ、遠く離れたレユニオン島にいた奴隷の少年がその発見を知っていたとは考えにくく、彼独自の知識と観察によってこの人工授粉の方法を編み出したと考えられています。
これからはバニラアイスを食べる度に、12歳のエドモンドのことを思い出すことになりそうです。
さて、RX Japan 合同会社の主催で製造業のカーボンニュートラル展が開催されるのでご案内します。
名称: 第2回関西製造業カーボンニュートラル展-グリーンファクトリーEXPO-
日時: 2026年5月13日(水)~15日(金)10:00~17:00
会場: インテックス大阪
主催: RX Japan 合同会社
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
CO2/エネルギー見える化、FEMS、再エネ、省エネ機器など製造業のGX、カーボンニュートラルを実現する技術が一堂に出展。セミナーも多数開催。
セミナー:
【中小企業のGX推進】
「経営力向上につながる中小企業のGX推進」
経済産業省 近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 カーボンニュートラル推進室 室長
辻 敦士
【利益を生むGX】
「事業化につながるカーボンニュートラル~パナソニックの水素戦略~」
パナソニック エレクトリックワークス ソリューションエンジニアリング本部 水素戦略担当 総括
相場 誠弥
【利益を生むGX】
「サントリーのサステナビリティ活動 グリーン水素への新展開」
サントリーホールディングス サステナビリティ経営推進本部
副本部長 [環境課題統括]
加堂 立樹
【DX】
「”データ活用宣言”を起点に広がる、データ活用環境づくりと文化醸成」
三菱電機 デジタルイノベーション事業本部 DXイノベーションセンター 戦略企画部 次長
浜田 理恵
など、生成AI活用、ロボット活用、DX事例など全120の講演。
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