ヨーロッパの猛暑 低いエアコン普及率

ヨーロッパの猛暑のせいで、4年間で20万人が亡くなっている、という数字がありました。このあたりについて、「これって、アメリカで銃犯罪で死亡する人の数よりも多いぞ」なんていう情報を見かけたので、「え、ほんと?」と思って調べてみたら、本当でした。

アメリカの疾病対策センター(CDC)の調べでは、2024年の銃による殺人事件の死亡者数は15,364人です。自殺者(銃による自殺者27,593人)を含めて比較しても、ヨーロッパでの猛暑による死亡者の方が多いことが分かります。比較の対象として適切かどうかはさておき、こんな数字を見てしまうと、猛暑が時に「静かなる殺人者」(silent killer)と呼ばれるのも納得です。

ヒートドームという現象だけでも対処するのが大変なのに、状況をさらに深刻にしているのが、エアコンの普及率の低さです。国によって異なりますが、ヨーロッパでは普及率がざっくり言って20%程度なのだそうです。これにはいくつかの要因があるようで、そもそもこれまでは気温がそこまで高くならず必要なかったということの他にも、フッ素系ガスを使用する機器に関する規制、住宅に関する環境規制、歴史的建造物・景観の保護のための設置規制、冷房が健康に及ぼす悪影響への不安、エネルギーコストが高額なために贅沢品とみなされてきた、などがあるようです。さらに「電力利用を抑えて(発電によって生じる)温室効果ガスの排出量を抑制する」とか、「室外機から放出される熱気によって外気温が上昇しヒートアイランド現象が進んでしまう」といった認識もあります。

環境保全と気候変動への対応のために事実上エアコン規制をしている状態になっており、これがヨーロッパで大きな議論になっています。こちらのフランスの報道番組でもいろいろな意見が紹介されています。

What France gets wrong about air conditioning (エアコンについて、フランスは何を間違えているのか)(FRANCE 24、2026年6月28日)

記録的な猛暑となり、「この状況を悪化させないためにも、今こそ気候変動対策の重要性を認識しなければいけない」とか「エアコンの使用は長期的にはこの状況を悪化させる」と考える人もいれば、「とはいえ、エアコンを使うことで助かる命もあるのは明らかだ」と考える人もいる。気候変動の問題は、気候だけの問題ではなく、社会の仕組みや経済格差の問題も孕む政治的な議論でもありますから、なかなか複雑ですね。どんな適応策が適切なのか。議論は果てしなく続きそうです…。

さて、茨城県地球温暖化防止活動センターの主催でカーボンニュートラルセミナーが開催されるのでご案内します。7月17日にはサラヤの代表者も登壇します。

名称: 2026年度カーボンニュートラルセミナー
日時: 2026年7月16日(木)13:00~16:30 
    2026年7月17日(金)13:00~16:30 
会場: ホテル日航つくば(つくば市)/ひたちオーシャンビューホテル&リゾート 
主催: 茨城県地球温暖化防止活動センター
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

本セミナーは事業所/自治体/県民の「省エネ・創エネ・ロードマップ」の実現化に向けた我が国の具体的な支援活用等の紹介、再エネ・省エネ・アップサイクル最先端の実装事例を紹介いたします。

【7月16日】
1. 国の脱炭素補助と支援の施策について
・環境省 関東地方環境事務所 地域脱炭素創生室
・関東経済産業局 資源エネルギー環境部 CN推進課

2. 事業のCO2排出量の見える化と削減推進
e-dash株式会社
Scope1・2・3とは? 企業のおかれている現状、
CO2削減施策から、最適な削減手法の紹介

3. カーボンニュートラルへの伴走支援
・グリーン購入ネットワーク(GPN)
 環境配慮型製品の市場形成を後押し
・UNIVERGY株式会社
 カーボンクレジットの創出・収益化

4. 世界が注目:日本のアップサイクル先端技術
 ALINインターナショナル(株)有機系ごみの減容化と肥料・燃料化亜臨界水処理施設によるCO2削減事例

【7月17日】
1. 国の脱炭素補助と支援の施策について
 環境省 関東地方環境事務所 地域脱炭素創生室
 関東経済産業局 資源エネルギー環境部 CN推進課

2. TNFDにつながる気候変動適応策
TNFD=自然関連財務情報開示タスクフォース
(気候変動による財務的リスクと情報開示の枠組み)
茨城県地域気候変動適応センター
センター長 茨城大学GLEC 教授 田村 誠 氏

3. 事業のCO2排出量の見える化と削減の推進
・e-dash株式会社
 脱炭素経営を加速させるLCAプラットフォーム
・サラヤ株式会社
 事業を通じたSDGsの推進と、脱炭素社会に向けた挑戦

4. 世界が注目:日本のアップサイクル先端技術
 株式会社 esa
 複合プラスチックの再資源化と優れた活用品へ

詳しくはこちらをご覧ください。