IPCC 第6次評価報告書 第3作業部会 政策決定者向け要約の解説

「ろ、64ページもあるなんて…。これでほんとに要約なんですか…」そんな声が聞こえてきそうな報告書です。

4月4日にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第6次評価報告書(AR6) 第3作業部会(WG3)の報告書が発表されました。

IPCC  Climate Change 2022: Mitigation of Climate Change

政策決定者向け要約(Summary for Policymakers, SPM)だけでも64ページあり、大変な量です。しかし、本報告書(Full Report)なんて2,913ページもあり、三省堂の国語辞典をはるかに超えるページ数です。そう思うとこの要約の存在は、地獄で仏に会ったようなものですね。

アジア太平洋統合評価モデル(AIM)のサイトに、この要約の解説資料と見どころ紹介の動画が掲載されています。

AIM:(4月5日と6日のNews)

国立環境研究所動画チャンネル:見どころ動画(前編)

解説資料

最も重要なポイントはこの言葉に集約できそうです。

”我々は、温暖化を1.5°Cに抑制する経路上にない。”
”2010~19年の温室効果ガス排出量の年平均値は、人類史上最高となった。”

◎アジア太平洋統合評価モデル(AIM)について
国立環境研究所と京都大学、みずほR&T等の共同研究により、アジア太平洋地域の複数の研究所からの協力を得つつ開発をすすめている大規模シミュレーションモデル。温室効果ガス削減と気候変動影響の回避を目指した政策検討のために用いられています。1990年に国立環境研究所と京都大学の松岡教授とが共同して始めた研究プロジェクトから始まりました。
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