一番アツい話 未来のエネルギー

2022年3月10日に、イギリスの会社が「1億度の熱を作り出すことに成功した」と発表しました。

「1億度」なんて言われてもイメージできないですよね。一番熱いものというと、とりあえず太陽を思い浮かべますが、太陽の一番熱い部分である中心核でも1,600万度です。1億度ということは、太陽の中心核の6倍以上の熱さに相当するわけです。

「え、そんなことして、地球が溶けてしまわないのか?」などと思ってしまいますが、これは地球の未来を大きく変えるかもしれない壮大なプロジェクトであり、太陽が燃える原理を使った「核融合発電」の実現に向けた大きな一歩となるものです。

リンク:核融合研究について(文部科学省)

核融合発電には、
・資源は海水中にほぼ無限に存在
・1グラムの燃料から石油8トン分のエネルギーを生み出せる
・CO2の排出はゼロ
・放射線、放射性廃棄物によるリスクが低い
といったメリットがあると言われています。

日本では
・量子化学技術研究開発機構
・自然科学研究機構(核融合科学研究所)
・大阪大学(レーザー科学研究所)
といった機関がさまざまな企業と協力しながら研究を進めています。

ところで、冒頭のイギリスの会社は、トカマク・エナジー社です。

ポイントは、球状トカマク型の核融合実験装置を使い、民間企業として世界で初めて1億度のプラズマ温度を達成した、という点です。このプラズマ温度1億度というのは、核融合の商業化に向けた一つの基準で、国の研究機関での事例はすでにありました。また、5年間という短期間に、7,000万ドル以下の費用でこれを達成したことも注目されています。

CEOのChris Kelsall氏は「私たちは、この画期的な進歩を達成したことを誇りに思います。これにより、新しく安全で、炭素を含まないエネルギー源を世界に提供することに一歩近づくことができます」と語っています。

Tokamak Energy – Moving closer to commercial fusion

他に海外のベンチャー企業として、
コモンウェルス・フュージョン・システムズ社(米)
ジェネラル・フュージョン社(加)
TAE テクノロジーズ社(米)
などがあります。各企業のウェブサイトの写真を見るだけでも、ちょっとシビれます。実用化に向けてはまだまだ多くの障害を乗り越える必要がありますが、夢のある話ですよね。