命懸けの脱皮 人類はうまくできるか

ため息混じりに遠くを見つめて「もう少し、自分も脱皮しないとなぁ…」などという言葉が頭に浮かぶことはないでしょうか。しかし、脱皮も簡単ではありません。

昆虫・甲殻類・クモ・ムカデなどを含む節足動物は、全動物種の85%以上を占め、150万種以上がいる、動物界最大にして最も多様性に富む生物群と言われています。この中で最大の大きさを誇るのが、足を広げると4mにもなるタカアシガニです。圧倒的な存在感に魅せられて、水族館で見かけると必ず立ち止まって見入ってしまいます。

彼らは成長するときに脱皮しなければなりませんが、タカアシガニは足が大きすぎて、その脱皮も命懸けです。和歌山県のすさみ町立エビとカニの水族館では、脱皮に8時間もかかった様子が映像で残されています。なかには、あまりにも大変すぎて、脱皮の途中で力尽きることもあるようです…。

さて、人類はどうでしょうか。脱炭素化社会への移行は大変ですが、力尽きることなく、うまくできるでしょうか。

人類の飛躍的発展を可能にした主役のひとつであり、燃料だけでなく様々な用途に使われて現代社会を支える石油ですが、脱炭素化の流れのなかでその位置付けが大きく変化しています。

石油業界の視点からは、この流れはどのように映っているのでしょうか。興味深いところです。

石油の輸入から精製、販売まで、石油に関わるさまざまな企業で構成される石油連盟が、2022年3月7日に『石油連盟シンポジウム~石油産業は「脱炭素」を生き残れるか~』を開催しました。この時の様々な講演内容を動画で見ることができます。また、配布資料もダウンロードできます。

石油連盟シンポジウム

主な内容は以下の通りです。

第1部 プレゼンテーション
(1)「石油業界のカーボンニュートラルに向けた取組み」
(2)「世界規模の脱炭素化の潮流とエネルギー安定供給」
(3)「2050カーボンニュートラルに向けたセオリー -電力の脱炭素化と需要の電化- 」  
(4)「自動車産業から見たカーボンニュートラル燃料の展望と課題」
第2部 パネルディスカッション 「日本の石油産業が生き残るには」

詳しくはこちらをご覧ください。