世界で初めて気候非常事態宣言を出したオーストラリアのダレビン市が化石燃料企業に気候変動被害の賠償を求める(山本良一)

 オーストラリアのデアビン市議会は、トレント・マッカーシー議員による動議で、2016年12月5日に世界で初めて気候非常事態宣言を可決した。オーストラリアでは、火災、洪水、サイクロンによる被害額は年間380億ドルに上り、2060年までに730億ドルに達すると予想されている。このような気候変動に起因する災害に対処するための費用を、主要な石炭、石油、ガス企業への課税によって調達する国家気候補償基金の設立を連邦政府に求める動議が、シドニー市、バイロン・シャイア市、ニューカッスル市など多くの自治体で決議されている。2026年8月25日にデアビン市議会はジュリー・オブライエン議員によって提出された同様の動議を全会一致で可決した。日本で気候非常事態宣言を行った自治体についてはどうであろうか。地球温暖化によって増幅された気候災害に対処するための費用を自治体がいかに調達するかは大問題である。

山本良一(東京大学名誉教授、CEN名誉会長)