脆弱だが守るべき巨城

世界の泥炭地は膨大な量の炭素(6,000億トン)を蓄えていて、地球全体の気候にとてつもない影響を及ぼす可能性を持っているのに、その重要性と全く釣り合わないほど脆く崩れやすい。そんな気がしてなりません。戦国時代の戦いで例えるなら、築城に長い年月をかけた巨大な城が戦略的要衝にある。しかし、実は防御上の大きな弱点があり、守る兵の士気も低いため、簡単に攻略されてしまいそう…。そんな感じがします。

「泥炭地を守るためにはまだまだ知らないことが多すぎる」「もっと泥炭地のことを理解しなければならない」ということで国際的な研究チームが論文を発表しました。

Priority research questions in global peatland science(世界の泥炭地科学における優先研究課題)(2026年4月28日, nature)

54カ国467人の参加者から意見を募って、泥炭地の理解と保護にとって重要な研究課題を洗い出しました。その数、なんと50項目。「ご、ごじゅう?多すぎないか?」と思ってしまいますが、それだけ重要だし、緊急を要するのだということの表れですかね。参加者から寄せられたのは項目は758もありましたが、それを212個に絞り、さらに厳選した上での上位50位の項目です。なので、ほんとうはこの50個は氷山の一角でしかないんですね。

5つのテーマに分かれています。

テーマ1:泥炭地の炭素動態と気候調節(課題1〜9)
泥炭地の世界的な広がりや炭素貯蔵量の推定、温室効果ガスの排出実態、炭素吸収源としての機能を最適化する環境条件など。

テーマ2:気候変動と人間活動が泥炭地の機能とレジリエンス(回復力)に与える影響(課題10〜16)
気候変動に対する泥炭地の反応、火災への脆弱性の変化、生態系が崩壊する閾値(ティッピングポイント)の特定など。

テーマ3:泥炭地の管理と修復(課題17〜32)
最も効果的な水文機能の回復技術、修復後の長期的な回復軌道、先住民の伝統的知識の統合方法など、実践的な管理に関する課題。

テーマ4:泥炭地科学とモニタリングのための技術革新(課題33〜38)
リモートセンシングやAIを活用した炭素貯蔵量の推定、地球システムモデルへの泥炭地データの組み込み、コスト効率の高い分析技術など。

テーマ5:地域社会、政策、経済的枠組み(課題39〜50)
泥炭地の経済的価値の評価、パルディカルチャー(湿潤農業)の付加価値向上、地域社会を「変化の主体」としてエンパワーメントするための政策枠組みなど。

課題が多すぎて目が回りそうですが、大事な城を守るためには、なんとかしなければ…。

さて、テュフズードジャパン株式会社の主催で脱炭素規制対策に関するフォーラムが開催されるのでご案内します。

名称: 脱炭素規制対策フォーラム —排出量取引制度(GX-ETS)x EU法規則—
日時: 2026年6月19日(金)13:00〜20:00 
会場: ベルサール新宿南口/オンライン(講演の一部のみ)
主催: テュフズードジャパン株式会社
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

○ 開会のご挨拶
アンドレア・コシャ
テュフズードジャパン株式会社代表取締役社長

○ パネルディスカッション
「日本・欧州の脱炭素関連法規制の現状と展望」
【パネリスト】
大久保 暁 氏
GXリーグ事務局(株式会社野村総合研究所)社会システムコンサルティング二部・シニアコンサルタント

小林 史朗 氏
日本板硝子株式会社 執行役 サステナビリティ統括部長

鹿野 方俊 氏
横河電機株式会社 経営管理本部 サステナビリティ推進部 担当部長

邱 亮達
テュフズードジャパン株式会社 インダストリアルサービス事業部 クライメートアクションサーティフィケーション部 サステナビリティサービスマネージャー

○ セッション1
「排出量取引制度(GX-ETS)に関して」
髙林 祐也 氏
脱炭素成長型経済構造移行推進機構(通称:GX推進機構)カーボンプライシング部 部長

○ セッション2
「排出量取引制度(GX-ETS)における排出量算出のポイント」
菅 卓海
テュフズードジャパン株式会社 インダストリアルサービス事業部クライメートアクションサーティフィケーション部サステナビリティエキスパート

○ セッション3
「 欧州における脱炭素関連法規制」
田崎 裕美 氏
日本エンヘサ株式会社 日本オフィス代表/シニアエキスパートサービスマネージャー

○ セッション4
「ISO14067システマチックアプローチに基づく潤滑油製品のカーボンフットプリント算定システムの開発」
・田村 和志 氏
出光興産株式会社 潤滑油二部 主任部員(先進潤滑油担当)
・角谷 健太 氏
出光興産株式会社 潤滑油一部 グローバル企画戦略室 構造改革推進課
・小島 駿介 氏
出光興産株式会社 潤滑油一部 グローバル製造供給室 ベースオイル統括課

○ セッション 5 
「欧州電池規則の最新動向とCFP算定要件の解説」 野底 琢 氏
K&ESG株式会社 代表取締役

○ セッション 6 
「欧州電池規則対応から見えた、サステナビリティを“事業に実装する”ということ」
長谷川 文俊 氏 
株式会社東芝 電池事業部生産統括部生産企画部環境担当 シニアエキスパート

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