世界気象機関の報告書2026-2035

あんまりいい話ではありませんが、毎年公表されるので避けて通るわけにもいきません。世界気象機関(WMO)が「Global Annual to Decadal Climate Update」を発表しました。世界の気候についての過去5年間の観測記録と、気温と降水量について今後の5年間及び10年間の地域的な見通しを報告するものです。

WMO Global Annual to Decadal Climate Update
2026-2035 (世界気象機関、2026年5月28日)

表紙の写真はアメリカ・コロラド州南部にあるグレートサンドデューンズ国立公園(Great Sand Dunes National Park & Preserve)。まだ雪を残すサングレ・デ・クリスト山脈(「キリストの血」という意味)のクリーブランド・ピーク(標高4,089m)。その西側の麓に広がる砂丘は78平方キロメートルもあります。その手前には草原が広がり、一本の木がポツンと立っているのが印象的ですね。

せっかくなのでこの国立公園のギャラリーのリンクを貼っておきます。美しい自然に心が和みます。
Great Sand Dunes National Park and Preserve

つ、つい本題から逃げてしまいましたが、話を元に戻します。報告書の最初に挙げられているポイントを7つに絞って簡単に書きます。

<1. 気温:記録的高水準かも>
2026年から2030年までの各年における世界の地表付近の平均気温は、1850年から1900年までの平均値よりも1.3℃から1.9℃高くなると予測されている。

<2. 気温:1.5℃を上回るかも>
2026年から2030年までの期間において、少なくとも1年間は、世界の地表付近の平均気温が1850年から1900年までの平均値を1.5℃以上上回る可能性が非常に高い。

<3. 気温:最高新記録かも>
2026年から2030年の間に、少なくとも1年間は年間最高気温の新記録(現在の最高記録は2024年)が樹立される可能性が高い。

<4. エルニーニョ現象発生かも>
ニーニョ監視海域であるNino3.4領域(下記参照)における5年間の平均気温予測は、熱帯地域全体と比較して、特に2027年と2028年にエルニーニョ現象が発生しやすいことを示している。

<5. 北極の気温:2.8℃高くなるかも>
今後5年間の長期冬(11月~3月)における北極の気温は、1991年~2020年の平均気温より2.8℃高くなると予測されており、これは同時期の世界平均気温の偏差の3.5倍以上である。

<6. 海氷:さらに減少>
2026年から2035年3月までの予測では、バレンツ海、ベーリング海、オホーツク海における海氷密度のさらなる減少が示唆されている。

<7. 降水量:異常な多雨と少雨>
2026年から2030年5月から9月までの降水パターン予測では、サヘル地域、北ヨーロッパ、アラスカ、シベリアでは多雨異常、アマゾンでは少雨異常が、この時期に発生する可能性が高い。

*補足:エルニーニョ監視海域の図(NOAA):
https://www.ncei.noaa.gov/access/monitoring/enso/sst
”Nino3.4領域”はNino4とNino3それぞれ半分ほどにかけてまたがる領域

いいことは一つもありません。しかし、報告書をもう少し読み込んだら、どこかに何かいいことが書いてあるかもしれませんね…。

さて、グリーン連合の主催で脱炭素のシンポジウムが開催されるのでご案内します。

名称: グリーン連合シンポジウム「まっとうな脱炭素への針路 ~グリーンウォッチ2026から見つめる日本の環境政策の現状と課題~」
日時: 2026年6月24日(水)13:30~15:30 
会場: 日比谷図書文化館/オンライン 
主催: グリーン連合
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

○ 開会挨拶:グリーン連合の紹介
○ グリーンウォッチの紹介
「気候危機の現状と課題」
桃井貴子(気候ネットワーク)

「再生可能エネルギーの現状と課題」
松原弘直(環境エネルギー政策研究所)

「東京電力福島第一原発事故処理と原子力政策の現状」
松久保肇(原子力資料情報室)

「化学物質とプラスチック」
成嶋悠子(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議)

○ パネル討論
 「再エネ・省エネをめぐる現状と課題:まっとうな脱炭素実現に向けて」
パネリスト:
安田陽(ストラスクライド大学)
金子貴代(再エネ100%宣言REAction協議会)
竹内昌義(東北芸術工科大学)

コーディネーター:
坂本有希(グリーン連合共同代表・地球人間環境フォーラム)

詳しくはこちらをご覧ください。