ドローン。最近は軍事の文脈で聞くことが多くなってきましたが、気候変動の研究にも大いに役立っていますし、進化しています。先日、民生用ドローンメーカーのDJIがエベレスト(チョモランマ)で高高度での「物資輸送」「マッピング」「大気研究」の実証実験に成功したとの発表がありました。いいことも起きていますね。
DJI、世界最高峰エベレストでドローンの飛行性能を実証。高高度配送やマッピング、気候研究での活用拡大へ(DJI、2026年7月9日)
【高高度配送ミッション】
新型配送ドローン「DJI FlyCart 100」を用い、計10,073kgの物資と廃棄物を輸送。従来、シェルパが危険なクンブ氷河滝を徒歩で越えるには6~8時間を要していましたが、ドローンはわずか8分で飛行し、作業の安全性と効率を劇的に向上させました。命懸けの徒歩6時間が、ノーリスクの8分になるんですから、これは確かに劇的ですよね。
今後は年間5,000本の酸素ボンベ輸送や、累計10,000kgの廃棄物回収を目指すサステナビリティ推進活動「Zero Waste Initiative 2027」を支援する予定。
【氷河マッピングと安全確保】
産業用ドローン「DJI Matrice 4E」は、標高6,450m、気温マイナス20度以下の過酷な環境下で、クンブ・アイスフォールの主要エリア3平方km超をわずか3.5時間でマッピングしました。センチメートルレベルの精密な測量データが得られるそうで、危険箇所のリアルタイム監視やより安全なルート設計、救助活動における遭難者の特定など、登山の安全性向上に寄与するとのこと。センチメートルレベルの精密さで、4時間もかからずにマッピングできてしまうとは、頼もしい限りですね。
【気候変動に関する科学研究】
日本未発売のeVTOL配送ドローン「DJI EV50」が、北京大学による大気汚染物質の微細観測を支援しました。12日間で12回の飛行を行い、最大飛行高度はエベレストの山頂を上回る8,861mに到達しました。これは高高度対流圏の観測にドローンが活用された世界初の事例で、科学界に重要なデータを提供しました。
ちなみに、ヘリコプターがエベレスト山頂に着陸および離陸した記録(2005年、フランス人パイロット、ディディエ・デルサーユ氏が操縦する小型ヘリコプターAS350 B3)はありますが、これは特殊な例で、低音で空気が極めて薄い環境では一般的なヘリコプターの運用限界は6,000m程度とされているようです。
こんな厳しい環境下でも活用できるドローンがあるなんて、面白いですね。そして、どんなことに応用されていくのか、楽しみですね。
さて、農林中金総合研究所の主催で気候変動と日本・フランスの農業をテーマにしたウェビナーが開催されるのでご案内します。
名称: Webセミナー「気候変動下の農業をどう守り、どう変えるか― 日本とフランスの実践 ―」
日時: 2026年7月31日(金)12:00~13:30
会場: オンライン
主催: 株式会社 農林中金総合研究所
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
「農林中金総合研究所-仏L’INSTITUT AGRO(国立農業・食料・環境高等教育機関) 研究協力覚書締結記念ウェブセミナー」
気候変動が進むなかで、農作物の品質低下や収量の変動など、農業への影響が顕在化しており、適応の重要性が高まっています。本セミナーでは、日本における取組みや、データ駆動型農業による適応といった新たなアプローチの可能性を紹介します。
さらに、海外の事例として、フランスのワイン農協の対応を取り上げます。フランスでは、干ばつや熱波の影響により、21世紀末までにワイン生産の継続が困難になる恐れも指摘されており、その対応を紹介します。
「気候変動下の農業をどう守り、どう変えるか― 日本とフランスの実践 ―」
・ルイ=アントワーヌ・サイセ 国立農業・食料・環境高等教育機関 准教授
・宮田夏希 農林中金総合研究所 研究員
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