いま、記録的な猛暑がヨーロッパを襲っています。上空の偏西風が大きく北へ蛇行し、北アフリカの砂漠地帯で蓄積された熱い空気がヨーロッパに流れ込み、さらに高気圧が鍋蓋のような効果を持って地表の熱い空気を閉じ込めてしまう「ヒートドーム」という現象が起こっているようです。
世界気象機関(WMO)の6月29日の記事によると、6月21日以降ヨーロッパで1,300人以上が死亡しています。
Record-breaking heat spreads through Europe(記録的な猛暑がヨーロッパ全土に広がる)(WMO,2026年6月29日)
イベリア半島から北上してきた熱波は6月30日までには中央ヨーロッパ、南欧、バルカン半島にまで影響を及ぼすと見ていました。
[ドイツ]3日連続で最高気温の新記録が更新。全土46の気象観測所で40℃超を記録。
[ハンガリー]6月の最高記録40.7℃を記録。
[オーストリア]6月の最高記録40.0℃を記録。
[イギリス]6月の最高記録を3日連続で更新。イングランド南部で37.3℃を記録。史上初めて3日連続で「猛暑警報」を発令。
[オランダ]6月の最高記録39.4℃を記録。
[デンマーク]2箇所で史上最高となる37.0℃を記録。
[スイス]北部の都市バーゼルで39℃となり、6月の最高気温を記録。
[フランス]6月24日に史上最も暑い日を記録。フランス西部のプルオーで43.8℃を記録。
[スペイン]多くの場所で40℃をはるかに超えて6月の市場最高気温を記録。ビルバオ市では42.7℃を記録。
モデルによる推定では、ヨーロッパでは2000年から2019年の間に暑さが原因で命を落とした人はなんと年間49万人近くになるそうです。ただ、WHO(世界保健機関)の記事では過去4年間に20万人が死亡した、とされていますので、対象に含まれるケースに違いがあるということでしょうかね。
Statement – Europe lost 200 000 people to heat in 4 years yet nearly all of them were preventable(声明:欧州では4年間で20万人が猛暑により命を落としたが、そのほぼすべては防ぐことが可能だった)(WHO、2026年6月26日)
国際的な気候科学者で構成される「ワールド・ウェザー・アトリビューション」(WWA、World Weather Attribution)は「化石燃料の排出により、ヨーロッパの熱波はわずか数十年で急速に悪化した」という記事を出していて、「日中の最高気温は地球温暖化の約3倍のペースで上昇しており、夜間の気温は約2倍のペースで上昇している」と書いています。
Fossil fuel emissions have rapidly worsened European heatwaves in just a few
decades(WWA、2026年6月26日)
ヨーロッパで記録的な暑さが起こると、それに連動する形で日本付近には冷たい大気が流れ込みやすくなるそうです。ほっとしていいのかどうか…。気候とは、実に複雑なものですね。
さて、広島大学の主催でエネルギー貯蔵セミナーが開催されるのでご案内します。
名称: 第7回エネルギー貯蔵セミナー(第182回広大ACEセミナー)
日時: 2026年7月15日(水)16:30~18:00
会場: オンライン
主催: 広島大学エネルギー超高度利用研究拠点(HU-ACE
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
挨拶:広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦
解説:広島大学大学院先進理工系科学研究科 助教 張 孟莉
講演:早稲田大学 理工学術院 教授 中垣 隆雄 様
「カーボンニュートラルへのアフォーダブルな移行のための炭素/熱のバリューチェーンの提案(Carbon/heat value chains for affordable transition to the carbon neutrality)」
2050年のカーボンニュートラル(CN)達成に向けては,経済性を維持しつつ移行する「アフォーダブルなトランジション」が不可欠であり、本講演では,その一つの手段として炭素と熱のバリューチェーンを提案します。既存システムへの適合性を考慮したCNへの行のための具体例として、異業種連携による炭素のバリューチェーン、既存火力を活用した蓄熱発電やゼオライトを用いた未利用熱の輸送システム、データセンター廃熱利用等による熱のバリューチェーンを取り上げ、新たな価値を創出する現実的なCNへの道筋を示します。
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