今まで考えたこともなかった研究発表を二つ知りました。両方とも、森林研究・整備機構森林総合研究所の発表ですが、まずは気候変動の研究にも関わる話です。
日本の森林の「根」の分布を初めて全国規模で明らかにしました
-気候変動時代の森林の成長の将来予測に貢献-(2026年4月7日)
森林の分布ならよく聞く話ですが、「根っこ」の分布なんて、まるで考えたこともありませんでした。
全国829地点の土壌調査記録に基づいて、日本で初めて森林の「根っこ」の分布を全国規模で明らかにしました。解析したところ、吸水などを担っている細い根は平均深さ65cm、中サイズの根は49cmまで分布し、温暖な地域ほど出現頻度が高いことが分かりました。また人工林は天然林に比べ、気温や土壌深さによる影響が小さい傾向も示されました。樹種の違いが地下の構造にも影響すると考えられます。
この成果は、従来簡略化されていた森林成長予測モデルの精度向上につながり、とくに乾燥時の予測に貢献するそうです。それにしても「根っこ」とは。いろんな着目点があるものだな、と改めて思いました。
二つ目の研究発表はまったく気候変動とは関係ないのですが、歳をとって固くなった思考をぶっ飛ばされるような、あえて英語で言うならまさにmind-blowingな(心を吹っ飛ばすような)研究があったので、紹介します。
女王しかいないアリ、キノムラヤドリムネボソアリ
-里山から、世界初の生態を報告-(2026年4月14日)
”女王しかいない”アリです。生まれてくる子は全員、女王になるというアリです。どいうこと?と、頭が真っ白になりました。オスを必要としない雌性単為生殖。別種のアリの巣に寄生して、子育てをさせる…。凄すぎです。
生物のこうした未知の生態からいろいろなヒントを得て、人類の科学もまた進んでいくのではないか。脱炭素に関する技術もそんな柔軟な発想からこれからも生まれてくるのではないか。そんなことも思いますね。
さて、自然エネルギー財団の主催で鉄鋼の脱炭素化に関するセミナーが開催されるのでご案内します。
名称: 公開セミナー「鉄鋼脱炭素化に向けて期待される需要家の動き 世界と日本」
日時: 2026年5月13日(水)14:30~17:00
会場: イイノホール&カンファレンスセンター(千代田区)/オンライン
主催: 公益財団法人 自然エネルギー財団
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
鉄鋼業は、世界の温室効果ガス排出量の約7%を占めており、その脱炭素化なくしてカーボンニュートラル目標の達成は困難です。現在、欧州をはじめ世界各地で低炭素鉄の生産プロジェクトが進められていますが、生産された低炭素鉄の価値を「見える化」し、需要側が積極的に購入できるような市場の仕組みづくりが課題となっています。
生産プロセスの転換に対する補助金や税制優遇といった供給側の支援に加え、公共調達におけるグリーン資材の使用推奨など、需要側を後押しする制度も整い始めました。
また、先進的な企業による自主的なスコープ3排出削減の取り組みも見られます。日本でも、政府主導で低炭素鉄の供給と需要を創出する政策が始まっていますが、需要側主導の取り組みは、依然として十分な広がりを見せていません。
本セミナーでは、こうした背景を踏まえ、世界の動向をご紹介するとともに、日本における低炭素鋼材の需要の拡大について考えます。
発表1:アジア・日本での新たな需要側主導のプラットフォームの設立について(RMI)
発表2:スチールゼロの活動と世界の動向(クライメート・グループ 鉄鋼部門)
発表3:日本における低炭素鋼材需要の拡大に向けた調査結果(自然エネルギー財団)
発表4:日本における鉄鋼の脱炭素化と低炭素鋼材の需要創出に関わる政策について(調整中)
パネルディスカッション:鉄鋼業におけるグリーン市場拡大に向けて
詳しくはこちらをご覧ください。
