超低排出ゾーン ロンドンの苦悩

12.5ポンド。だいたい2,300円。みなさんは、自分が住んだり仕事をしている街で「この街は排気ガスのせいで大気汚染がひどい。気候変動にも影響がある。渋滞だって問題だ。あなたの車でここを走るなら、これを毎日払いなさい」と言われたら、どうするでしょうか…。2,300円を毎日払い続けるか、車を買い替えるか。車はやめて自転車にするか。引っ越すか。仕事を変えるか。そこに行かないようにするか。「それはたまらん」と抗議するか…。

ロンドンでは2003年に渋滞緩和を目的に「渋滞税」が導入され、さらに大気汚染対策として2019年に「超低排出ゾーン」(ULEZ, Ultra Low Emission Zone)が導入されました。一定の排出基準を満たさない車がこの規制区域に入る場合、車重に応じた通行税を支払わなくてはなりません。(車重3トン以下は12.5ポンド)

当初ULEZは市の中心部だけでしたが、今年8月29日からロンドン市内全域に拡大されました。

人々の生活スタイルも経済力も健康状態も様々です。こうした規制で救われる人、歓迎する人。理解して対応する人、生活を守るために抵抗する人。歓迎する人を責める人。抵抗する人を責める人。イギリスのニュース映像を見てみると、新しい試みに挑戦するのは、本当に大変なことだと改めて感じます。

Channel 4 News: ULEZ expanded to whole of Greater London(ULEZ グレーターロンドン全域に拡大)

ネットゼロ実現へのシナリオ。いま、何が見えているのでしょうか。そんなことをテーマに掲げたシンポジウムをご案内します。

名称: 「ネットゼロシナリオの実現可能性を考える」
    (第31回地球環境シンポジウム/一般公開シンポジウム)
日時: 2023年9月20日(水)14:00~17:00
会場: 滋賀県立大学/オンライン
主催: 公益社団法人 土木学会 地球環境委員会
参加費: 無料

主な内容: 下記HPより抜粋 

・開会挨拶: 風間聡 氏(土木学会・地球環境委員会・委員長 東北大学)

・基調講演: 横木裕宗 氏(茨城大学)「顕在化する気候変動の影響と適応策~沿岸域を中心として~」

・講演:
 藤森真一郎 氏(京都大学)「気候変動緩和研究の最前線 ~ネットゼロの実現可能性を考える~」

 大城賢 氏(京都大学)「ネットゼロを達成するエネルギーシステムの定量評価」

 朝山慎一郎 氏(国立環境研究所)「ネットゼロシナリオの公衆認知~実現可能性と望ましさの観点から~」

・パネルディスカッション
 モデレーター: 長谷川知子 氏(立命館大学)
 パネラー: 講演者、島田幸司 氏(立命館大学)、越智雄輝 氏(株式会社E-konzal)

これは土木学会地球環境委員会が行う第31回地球環境シンポジウム(9/19-21)の一部として開催されます。詳しくは下記シンポジウム案内の「12. 一般公開シンポジウム」をご覧ください。
https://committees.jsce.or.jp/global/node/83